バッファロー69

哭声 コクソンのバッファロー69のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
4.5
心にじっとりとした沁みを作ってくれる良作
トランシーな高音でキャンキャン攻めてくる祈祷のシーンが踊りたくなるほどかっこいい
あんなに良い音楽が悪魔?を追い払うために作られているというのが信仰心の濃淡やその行為が金銭に変わる事も考えると面白い
信仰という虚構システムは時に良い音楽を作るのでそこに限っては良いのだが、99%以上害の方が多いので無くなって欲しいが、私の価値観通りの世の中になるとこの映画も曲も無かった事になってしまうので自分の思い通りの世の中など薄っぺらくてつまらないものになるなあと思わされる
摩擦の中で感動しろ!ユートピアなど無い!
でも別にこの監督は信仰とか呪いは描いてるだけで、肯定はしてないし映画で神だの悪魔だの肯定しちゃったら狭き門をくぐれる善人のためのお説教にしかならないのでそれは私はいらん
思い入れのある日本人俳優というのは数少ないが(単に知らないだけ)これを観たあとは國村隼をメディアで見かけるたびに心の中でニヤつくようになった
まさに怪演
やってる本人も楽しかったんじゃないかなあ
配役によって役者を好きになれるのは良い映画
基本的に邦画には期待してないが國村隼出演作で探してみようと思った