ぐっさん

哭声 コクソンのぐっさんのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.9
去年からとにかく期待していたコクソン。
「國村隼さんが褌一丁で怪演する恐ろしい映画だ!」という情報だけしか仕入れないようにしておいて鑑賞。
流石ナホンジンと言うべきか、そんな一筋縄でいく映画じゃなかったよ!

悪霊とは、宗教(仏教、キリスト教、アニミズム?)とは…一体何が現実で何が夢なのか、誰が悪霊で、誰が取り憑かれている…?ヒントとなる描写はそこかしこに用意されているものの、全て考えても考えても答えには辿り着かないように作られているように思えるある意味投げっぱなしな展開…。
祈祷師が戦っていたのは一体…?カラスの意味は…?祈祷師と國村隼が行っていた写真撮影の意味は…?とか、考えれば考えるほど深みにハマる。
「お前に俺が悪魔に見えているのならば、それはもう何を言ってもそういうことにしかならないだろう?」と問いかける國村隼のセリフにはゾッとさせられた。気づけば自分も先入観を持ってこの映画を観てしまっていたのかもしれない。

前半にはギャグも冴え渡るし、ゲロ吐きの執拗さ、出ました最強武器牛骨!などの上がるシーンも多々あり。
祈祷師バトルの圧倒的グルーヴ感は異様で最高!昔韓国旅行したとき、お寺から聞こえてくるお経のリズムが異常に早いBPMで爆上げだったことを思い出した。

見返すのには物凄いエネルギーを使いそうだが気づけばこの映画の世界のことを考えてしまう、そんな怪作だった。
ぐっさん

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