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哭声 コクソンのmovieJackのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

是非
前情報を一切入れずに観賞すべき今作



「惑わされるな…」とのポスターの文字通り

謎だらけのうえ早い展開切り替えと
映画的な多種多様要素を詰め込めるだけ詰め込まれており脳内処理が全く追い付かず
多くの観客は翻弄され惑わされるであろう…
私もまんまと監督の手の内で転がされたその一人で
それを体感させる為に作った作品なの?と思えるほど

弱者の私には観賞後に本やネットで補完するしかない…

聖書から引用されたシーンが多くあり
キリスト教が根付いている韓国ではもっと理解し易いのであろうか…

呪い・霊・悪魔の存在を匂わせながら
謎が多い登場人物達は実在するのか
敵か味方かも謎でハッキリと結論は描かれない

噂話に流されないこと
先入観で判断しないこと
他人がする評価を鵜呑みにせず
必ず自分で見て判断すること
これは対人関係を築くうえで
必要不可欠な事で
地方の小さな村では特に噂が直ぐに広まるのは事実

謎の日本人(國村隼)について
他人からの噂話や先入観により
疑心暗鬼な心が芽生えると
もうその相手は悪者(鬼)にしか見えなくなり
一度偏見を持ってしまうと覆らず

今作は対人間で描かれているが
それは対国間の関係でも同じであり
その象徴として日本人をキャストしているのであろう

韓国からの反日感情の根強さ
またその逆もしかり…
自分で判断せずメディア等からの情報を鵜呑みにすることにも警鐘を鳴らしているのか…

また今作は娘役のエクソシストを彷彿とさせる演技に驚いたが
娘が何か事件・事故を起こした場合
娘をかばいたくなるもので
また大病を患った時等にも
原因は外部にあると思いたくなり
責任転嫁するという親心は解るが

その思いが強すぎると本質を見失い
悪霊とも思える心に潜む弱い部分に飲み込まれ
自らが破滅してしまう暗示とも思えた

うちの娘の口の悪さも悪霊のせいに違いない…(泣)

今作の評価は人により真っ二つに別れると思われるが
それにしても國村隼の怪演は圧巻で
ラスト前の笑い声は今も耳に残る…
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