自宅で。
2016年のアメリカ映画。
監督は長編初監督のルチア・アニエッロ。
あらすじ
州の上院議員に立候補中のジェス(スカーレット・ヨハンソン「ジョジョ・ラピット」)は学生時代の友人たちと独身最後のパーティーでマイアミに訪れていたが、そこである事件を起こしてしまう。
Netflixにて。
スカヨハといえば、近々でいえば「ジョジョ・ラビット」でのお母さんの名演が記憶に新しいが、それまでも今年主演作が公開されるブラック・ウィドウをはじめ現代を代表する若手女優の1人だ。
そんなスカヨハがまさかのバチェラーパーティーものということで気になって鑑賞。
序盤は安定の作り。
スカヨハ演じる上院議員候補のジェスを主人公に、太っちょでジェスの一番の親友(のつもり)のアリス(ジリアン・ベル「ブリタニー・ランズ・ア・マラソン」)、どうやら過去に付き合っていたらしい活動家のフランキー(イラナ・グレイザー「ナイトビフォア 俺たちのメリーハングオーバー」)と子どもの親権争い中のブレア(ゾーイ・クラヴィッツ「KIN/キン」)が久しぶりに集まってワイワイしながらも、そこにジェスがオーストラリア留学中に知り合ったピッパ(ケイト・マッキノン「スキャンダル」)も参加したことで浮き彫りになる人間関係。
面白いのはこういった学生時代の面々が久しぶりに集まって…となると大体誰かが高収入のセレブでそこでそれぞれの人間関係に不和をもたらすって展開があると思うんだけど、今作ではプライド高そうな顔立ちのスカヨハが役柄が上院議員候補という点含めて、そうなりそうだと思いきや、全く違う点。
むしろ、選挙中で一番忙しい時期でありながらも、そうやって学生時代の友人が企画してくれたパーティーにも繰り出すし、オーストラリア留学中のピッパもちゃんと仲間に入れてくれるむしろ仲間思いのキャラだった。
じゃあ、誰がグループに不和を生むキャラかといえば、それがパーティーの企画者のアリス。
冒頭、ジェスらの学生時代が少し描かれるんだけど、そこでは自分の容姿を気にしてオドオドしていたアリスなんだけど、そこで培った「自分こそがジェスの一番の親友」、それこそが自分の一番のアイデンティティと言わんばかりにそのステータスにしがみ付いて、新顔のピッパも邪険にし、パーティーもみんなの意見も聞かず仕切りたがる。
うーん、「ヤダみ」がすごい!!特にピッパが合流した際のスルー具合(ジェスがピッパと親しげに話そうとすると妨害する)が絶妙で俺自身、女性ばかりの職場にいるのでこういう人いる〜と思いながらもそれを助長したかのようなこのアリスという奴が序盤からもう大嫌いなキャラクターになった!
ただ、このアリスというキャラ、例えばメリッサ・マッカーシーやレベル・ウィルソンなんかが演じても、多分愛らしさが出てしまうので、ぽっちゃりの中でも若干のキツさが顔に出てる、このジリアン・ベルという女優さんを使ったのが上手いバランスだなぁと思った。
で、お話的に面白いのが、じゃあマイアミで「バチェロッテ」や「ブライズメイド 」みたいな感じの話になるかといえば、そうはならずに、なんと別荘に呼び寄せたストリッパーを誤ってアリスが殺してしまうことで騒動に発展してしまうという点。
なるほど、そうきたかぁーという感じで、まさかのサスペンスコメディという新たなジャンルに新鮮な感じを受けつつ、警察に連絡してしまったらそれで話はおしまいになってしまうので、死体をどう始末するかで七転八倒するんだけど、それと同時進行でマイアミでトラブルに巻き込まれたことを知っていてもたってもいられなくなったジェスの婚約者のピーター(ポール・W・ダウンズ)も現地に向かう流れも描いていて、退屈はしない。コメディとしては弱いけど。
後半のキモとしてはジェスとアリスの長年の想いをぶちまけるシーン。やっぱりジェス自体も自分に執着するアリスがウザかったようで、その胸中を吐き出すんだけど、なんか観ていて辛いわ…。アリス的にはキラキラしていたジェスと一緒にいれば自分も一緒に輝いていられるって想いがあったのかもしれないけど、まぁ耐えらんないわな。
とは言っても本作はあくまでもコメディ。終盤は薄々感づいてはいたけど、殺人事件も実は〇〇でした!という流れでまるっと収まるし、アリスも自分を思い直してジェスともピッパとも改めて関係を築く大団円。
お話自体は意外性もあって面白かったけど、やっぱギャグシーンのパンチが弱かったのが残念だったかなぁ。
スカヨハを引っ張ってきただけで観る価値はあると思うけど、個人的にはスカヨハよりもゾーイ・クラヴィッツの方がセクシーだった笑