kkkのk太郎

アリー/ スター誕生のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

1937年公開の映画『スタア誕生』のリメイク作品。

大物カントリーロックミュージシャン・ジャクソンと売れない歌手・アリー。2人の出会いと恋愛、そしてその行末を描いたラヴストーリー。

大物ミュージシャン、ジャクソン・メインを演じるのは『ハング・オーバー!』シリーズや「MCU」シリーズのブラッドリー・クーパー。なおクーパーは本作の監督/脚本/製作も手掛けている。

第91回 アカデミー賞において、歌曲賞を受賞!
第76回 ゴールデングローブ賞において、主題歌賞を受賞!

原作である1937年版は未鑑賞。また、本作は1954年と1976年にもリメイクされており、今回で通算3度目となるらしいのだが、その他のリメイク作品も未鑑賞であります。

とまぁ4回も映画化されている超有名な作品らしいのですが、私は今回の鑑賞で初めてこの物語に触れました。
なのでお話の筋を全く知らず、予想以上の重たい話で驚き。
『ラ・ラ・ランド』みたいなロマンチックな映画かと思っていたら、がっつりアル中怖いよ映画でした。やっぱりアル中怖いね…😨
映画冒頭、たまたまアリーが出演しているバーへと立ち寄るジャック。お店を探すジャックが「あっ、ちょっとそこの角まがってちょーだい」と運転手に頼むが、その角の建物に描かれているマークが絞首用の縄にしか見えない…。この時からクライマックスの悲劇が暗示されていたわけですね…。

ジャクソンとアリー。この2人の関係は音楽のムーヴメントを比喩するものになっている。
かつては栄華を誇っていたが、だんだんと年老い衰え、新たな存在にとって変わらられようとしているジャックは、まるでカントリー/ロックンロールというジャンルそのもの。
それに対して、ジャックによって第一線に躍り出るも、次第に彼の人気をおい抜き、最終的には彼を亡き者にしてしまうアリーはポップスやコンテンポラリーR & Bの化身のようだ。
今流行りの音楽ジャンルは全て、古き音楽を下敷きにして成り立っている。大衆文化である以上、新しいものが古きものを潰しながら台頭してくるというのは避けようのないことなのだが、古き良きロックが好きな自分のような人間にとって、やはりこの映画で描かれているような栄枯盛衰は観ていて辛い。もう少しロックやカントリーなど、オールドファッションな音楽に優しい世の中になってくれるといいんだけどなぁ…。

歌曲の素晴らしさが話題になりがちな今作だけど、本当に称賛されるべきは役者の演技なのではないだろうか!
映画の主演は今回が初めてとなるレディー・ガガ。そんな風には全く感じさせない、堂々とした演技でありました。
ガガ様も良かったけど、なんといっても本作はブラッドリー・クーパーが凄い!監督/脚本/製作を手掛けている訳だから、いつも以上に気合が入っているのだろう。今回の彼の演技は鬼気迫ると言うか、とにかく凄まじいものがある。
立ち居振る舞いや歌唱のパフォーマンスなど、本当にジャック・メインというアーティストがいるとしか思えない。そう観客が思い込んでしまうほどに、真に迫った演技でした。
特に凄いと思ったのがアル中/ヤク中の演技。虚な目や赤い顔、魂の抜けたような佇まいは、まるで本物のアルコホーリクスやうつ病患者のよう。
若い頃、キャリアの不振が原因でうつ病にかかり、それがきっかけでアルコール中毒やコカイン中毒に陥ってしまったというクーパー。そんな彼だからこそ、ここまでリアリティのある演技が出来たのだろう。どんな経験も演技の肥やしにする。一流の役者はやはり違うのだ。

とまぁ、役者の演技については申し分ないと思うんだけど、正直個人的にはこの映画に全く乗れなかった。
元々こういう映画は好みのジャンルじゃないし、何より歌姫アリーにあんまり魅力を感じなかった。
そもそも、ジャックの公私混同っぷりに嫌悪感。ジョンとヨーコ、ポールとリンダみたいな、ステージの上でも一緒💕的なバカップルっぽさが好きになれンのです。
アンコールをアリーが歌うって…。自分がジャックのファンだったら、「誰だよアリーって!ジャックをもっと見せろっつーの😡」て思うだろう。

スターになってからの彼女は完全にレディー・ガガ。彼女のパフォーマンスを見れて、ガガ様のファンなら喜ぶだろうけどさ。正直、自分あんまりレディー・ガガに思い入れないんだよね😅
レディー・ガガの顔は凄い好きなんです。めちゃくちゃ美人だと思う。…おっぱいも大きいしボソッ…。
ガガ様のヴィジュアルは好きなんだけど、んじゃパフォーマンスが好きかというと…。別に嫌いではないんだけど、聴いてて心が燃えることはないかも。
自分はジャニス・ジョプリンとかパティ・スミス、ガガと同世代ならエイミー・ワインハウスなんかが好きなので、ちょっと彼女は好みから外れる。「Born This Way」はドライブのお供には最適だけどね。

そんな訳で、ガガ様純度100%であるアリーのパフォーマンスに心が動かされず、なんかイマイチ映画にも乗れなかった。正直、クソ長いMVを見させられた感じ。
クライマックスも、「おー、ガガが熱唱しとるわい」くらいの感想しか湧いてこず、特に感動は無し。
当初はビヨンセをアリー役にと考えていたようだが…。うんまぁどっちもどっちかな。
エイミー・ワインハウスが生きていれば、彼女に演じて欲しかったけど…。エイミーは完全にジャック側の人間だもんなー…😢

今回が初監督となるブラッドリー・クーパー。多分脚本家としてもこれがデビュー作。
初監督とは思えないほどに堂々とした作品を作り上げたクーパー。今や彼は第二のクリント・イーストウッドと呼ばれているとかいないとか…。確かに、イーストウッドの後継者としてはクーパーが最適解かもね。
彼の今後には非常に期待が高まるが、今作は個人的に好みではなかった^^;
でも悪い映画では全然ないよ。レディー・ガガのファンなら必見だし、ラヴストーリー好きにはお薦め出来るかも〜。
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