emily

ハイヒール革命!のemilyのレビュー・感想・評価

ハイヒール革命!(2016年製作の映画)
3.4
 ニューハーフの真境名ナツキの思春期から現在に至るまでをドキュメンタリーでインタビューなどを交えて描き、回想をドラマパートで見せていく。

 小学時代から違和感を感じ始め、中学時代は抑圧されたまますごし、高校で自分の性にしっかり目覚め、家族の支えと自由の風習の学園生活が見事にマッチし、自分を確立させるため長い長い闘いが始まる。

 ドキュメンタリーとドラマを巧みに切り替え、淡いハイトーンの色彩の中、真境名ナツキを再現ドラマで演じる濱田龍臣の女装も見ごたえある。さらには真境名ナツキ×濱田龍臣の対談もあり、演じたからこそ分かる切り込んだ質問からもいろんな心情が浮き彫りになる。初心者でもわかりやすくLGBTの言葉の説明をユニークなイラストと共に行われていたり、偏見や境界線を全くつけない、人の”個性”の一つとして描写し、彼らが持つ悩みは私たちの持つそれと何ら変わりがない事を改めて感じさせる作りになっている。

 ドキュメンタリーとドラマ、思春期から現在に至るまで、親や友人たちのインタビューを交えながら、非常にわかりやすくシンプルに作り上げられており、最後には男女の垣根を越えたヒューマンと言うくくりにしっくりと落ち着く。性同一性障害の本人の辛さ、両親や周りに居るもの達の辛さ、そうしてそれをまず理解することから始める、分からない物への対応の仕方など人間らしさを感じさせ、それぞれの思いがしっかり描かれており、中立な立場で描かれているのが好感が持てる。
emily

emily