eye

リバースダイアリーのeyeのネタバレレビュー・内容・結末

リバースダイアリー(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

"リバースダイアリー" (2018)

・ロンドンフィルムアワード
最優秀作品賞(長編部門)受賞

・その他10を越える国内外の映画祭で絶賛

っていう部分に惹かれ鑑賞してみた

チャレンジしてるインディー映画が
大好きで積極的に観る方だけど

この作品を観終わったあとの感想に困った


基本ラブストーリーを展開しつつ
↓
ミステリー・サスペンスにもっていき
↓
スリラー・ホラーも詰め込んだ


そんな作品だった

起承転結の"転"(リバース)で
ストーリーを一気にひっくり返す

途中から作風を違うものに展開していく中で
ストーリーのタネ明かしをしていく

今まで映し出していた
登場人物のウラ側に潜む気持ちを
多角的にみせるという

チャレンジしつつ攻めている

転じてからは

女性キャラクターの
自己肯定感の低さが目立っていく

妹 綾の嫉妬心や攻撃性がやたら目立つ

一方でサスペンス調に変わってから
ストーリーのテンポを上げている

今までのフリが回収されていく
そしてストーリーは展開し続けていく

が……

正直どのキャラクターにも
入り込みにくい雰囲気がずっーーとある

入り込みにくい要因は

キャラクターはそれぞれ傷つきを抱えているはずが なぜか心情が軽くみえる

これは おそらく 演者の演技力の問題

そして

俗にいう

"うわべだけ"

キャラクターの気持ちが全然入ってこない

メインはおそらくラブストーリー

他に類をみないトリッキーな形で
ぐるっと一周回して最後には着地する

意欲的で革新的な作品だけど

沙紀が大切な人を亡くしたあとに
白石に抱く負のエネルギーがある

そこにもっていく唐突な流れに
ぜんぜん入り込めなかった

でも そういう作品と捉えるならそれはそれ

"リバースダイアリー" (2018) は

"アモーレ・ペロス" (2000)
"21g" (2003)

のような作品の群青劇が下書きにあって

『偶然性や運命の方向性を示していく』

ということ大切にしているそう

そこだけ捉えればカッコいい

挟み込んでくる
妹 綾のサスペンス・スリラー調も
メインストーリーにプラスαである

はずが

むしろ話の腰を折っている

ある意味 "美人局" を思わせるストーリー

殺人計画不発がもたらす不可解な展開

薬で殺せない 車の事故も起きない

色仕掛けも失敗

正直ドキッともしなかった

園田監督のインタビューでは

>基本的には何かを失ったキャラクターが、何かを得る。喪失から再生していくという話を描きたい

この発言を見聞きしたときに

"四月の永い夢" (2018)
"おじいちゃん、死んじゃったって" (2017)

が頭をよぎってしまったが 
上記 両作品は心情の展開に深みと厚みがある

それはそれ これはこれ なので

他作品と比較すること自体が
大変失礼なことではあるけど

有名じゃない俳優が出てるとか

予算の制約とか

宣伝活動とか

言葉に表しにくい難があったんだろうけど

「これだけは絶対に観衆に伝えたい!」

ってメッセージがなくてボンヤリし過ぎてる

2回も観るエネルギーが生まれず1回で断念
eye

eye