みかん

ディストピア パンドラの少女のみかんのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

7/1(土)にほぼ前知識なくSF映画として鑑賞。
序盤はサイコホラーっぽく、やがてウォーキングオブデッドのようなわかりそうでわからない世界観が登場する。
しかし変に引っ張ることはなく、中盤時点で大体話が見えてくるのは映画のよさ。

主人公の女の子の存在感がすごい。
BGMもJames Blake風の重悲しいアンビエントでずーんと来る。

終盤に感じたのは、
世の中でも、病原菌、ウィルスを「退治」するために、ワクチンを作ったりする。
特に伝染病についてはそれが常識。
しかしもしそのウイルスが擬人化されていたとして、話も可能ならばどう扱うのか。

そして駆逐行為は相手のキリがなければやがて防戦一方になってしまう。。
違う生き物ゆえ争うならば、攻撃性の持つものがなぜ攻撃するのか、その理由やルールさえ理解すれば、それに沿う共生をする方が血を見ずに済む。

ウイルスの学習は、恐怖ではなく、知的好奇心ととらえることも可能である。
そういう哲学的な側面もある本作は、食べ物に混ぜ物をして人間を変えようとしたイギリスドラマのユートピアとは逆の側面で環境について考えさせてくれる佳作である。
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