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マインズ・アイのhorahukiのレビュー・感想・評価

マインズ・アイ(2015年製作の映画)
3.7
見る順番を間違えた感があるけど、『Bliss』に向けてジョーベゴス監督作品!『人間まがい』も80年代リスペクトに溢れた作品だったけど、続く長編2作目である本作も、参照してる作品が違うだけで全く同じ路線。

というか前作同様、80年代をリスペクトした現代作品というよりも、そのまんま80年代の映画を80年代の空気感でもって作ってしまってるのがベゴス監督の良いとこだと思う。当時の映画にカウンターをかますわけでもなく、自分だったらこうするだろうなっていう変な(現代的な)アレンジを加えるわけでもなく、当時の映画界で自分が監督業をしていたら…みたいな。それがただのコピーではなく、監督らしさという個性に昇華されてるのがマジで凄い!

なんてったって、ラスボスのオッサンの顔芸写真を80年代のホラー雑誌にそのまま載せても誰も気付かないレベルの再現度。特に青白い光が当たってるとことか。これ現代の映画じゃないよ(笑)

そして、フォローしてる方に似てるって教えてもらった通り、マジで『スキャナーズ』だった!🤣しかも冒頭、雪に囲まれた道をこちら側に歩いてくるショットなんて完全に『ザ・ブルード』だし、ベゴス監督クローネンバーグ好きすぎ!

しかも色彩の対比がすごくオシャレ。青の抑圧・寒々しさと赤の強い感情。同一画面内に半々に配置した構図も意図を含めてバチってキマッてるし、クライマックスに向けてバトルが激しくなっていくにつれ、その双方がより強く画面内に現れ出す。目の前の青と背後の赤とかめちゃカッコいい!

そんで終わり方もめちゃくちゃ良い。あの突き放される感じとあのスコア。堪りませんね!ベゴス監督は87年生まれだから実際に80年代に触れて育ってきた世代ってわけじゃないんだろうけど、多分あの辺りの映画を浴びるほど見て育ったのは間違いないでしょうね。そのまんま80年代の再現とまでは当然いかないんだけど、その時代に対する愛しか感じない作風は大好き♫
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