caramel

シーモアさんと、大人のための人生入門のcaramelのネタバレレビュー・内容・結末

2.3

このレビューはネタバレを含みます

ピアノの音が心地よくて、疲れた身体が包み込まれるような、至福の時間を過ごせました。

シーモアさんはずっと笑顔。笑顔が素敵なピアノ教師。それも、演奏家として抜群の腕を持ちながら、芸術としてのピアノや音楽と、大衆に好まれる音楽との間に挟まれることに疲れて、自ら第一線を退いたひと。

彼の言う、自分を幸せにするか否かは、他の誰かでも、神でも、宗教でもなく自分自身、自分の中にこそその力があるという言葉に大きく頷きながら観てしまいました。

音楽が好きだからこそ演奏家として自分が名声を得るよりも、後世に良質な音楽とそれを聴くことができる耳と表現することができる腕をのこすことを選んだシーモアさん。

イーサン・ホークは作品に恵まれ、また選んできたひとという印象があったので、シーモアさんに共感したということは、彼もまた演じること、表現することが好きだからこそそういったものが消費されるだけ、ということに悩む側面もあるのだな..と、正直ちょっと意外でした(彼の作品はどれも素晴らしいと思っているファンとしては、ショックな気持ちも..)

確かにテレビでも良いという内容かもしれませんが、ピアノをしっかり聴けたし、いままでに見たことのないようなドキュメンタリー作品で、私は面白く観れました
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