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ワンダー 君は太陽のMykeのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

まず、本当にジュリア・ロバーツは
名女優だなと改めて感じされられる。
深い演技と、深い人間性。
きっと、すごい経験・深い人生を
歩まれてこられたのだなと、この映画を観て悟った。

この映画には色んな見た目の子供が出てくる。
肌が黒い子、肌が白い子、わたしと同じアジア人の子。
未だに人種差別や、見た目問題が根強く残る
世界に対しての、強いメッセージ性を感じた。

トリーチャーコリンズ症候群の主人公・オギーは
ある日、同じクラスメイトのジャックのテストのお手伝い
(ジャックに自分の答案をカンニングさせる)をして
ジャックとオギーは友達になった。

でも、ジャックは他のクラスメイトの前では
「校長に頼まれてて、あいつに付き纏われてるだけだ。」
と言ってしまう。

本当は、ジャックはオギーのことが大好きで、
一番の友達と思っていたのに、
皆の前では「どう見られるのか」を意識し、
結局は自分を守ってしまったのだった。
 

私も小学生のときに、
皆から疎まれてる子と仲良くなったことがあった。
私はその子に対して面白い子だなと思っていたので、
普通にお話をしていて、
そこからずっと一緒に行動するようになった。

そしたらある日、クラスメイトの男子から
「なんでアイツと仲良くするの?」等
ひどい言葉を投げかけられた。

私は、
危険を感じると身体が自然に防衛本能をおこすような感じで
その時、咄嗟に自分だけの守りにはいってしまった。

「うーん何でかわからん。優しくしたらついてきたんよね。」
とジャックのように言ってしまった。
そして、次の日からその子を避けてしまった。

あの狭いちっぽけな世界で、自分だけを守った。
弱くて最低な人間だった。
それは“自分はちっぽけです”と認めたと同様だった。

この映画を観て、当時の
自分の愚かさと卑しさを思い出し、とても情けなくなった。
(その後、その子とは卒業式のときに話したっきりだ。)
昔の数少ない記憶の一つとして、一番の心残り。
あんなことをしてしまった自分のことを
死ぬまで引きずっていく。

もし、今の私があの頃に戻れるなら、
ジャックのように、
あの時の男子達をガツンと殴り飛ばしたい。
いや、卑しい自分をまずは殴りたい。

今後、例えば、誰かと話してる時に
誰かの悪口大会となったとしても、
オギーに寄り添ったサマーのように周りに合わせない。
自分を殺してまで、卑しい人間に成り下りたくない。
例え、自分の人生がかかってるような人であっても、
他の大勢の人から自分が嫌われ、悪口を言われたとしても、
一人の人に対して、本当に心から寄り添える
そんな大きな人間になってから、死んでいきたい。
(幸い、私のまわりにいる仲良い人たちに、
そんな最低な人達は一人もいないが。)

オギーは大きなフルフェイスのヘルメットを着用し、
見た目を隠し、自分を守っていたが

いじめっ子も含め、人はみんな、
見えない大きなヘルメットをかぶって、

自分の弱さを隠しながら、
自分の身だけを守って生きている人が多いと思った。

本当のヘルメットを被っているのはオギーではなく、
小学の時のわたしも含めて、そんな弱い人たちだ。。。

「オギーは見た目を変えられません。
我々の見る目を変えなくては。」と、
いじめっ子とその家族に放った
校長先生のお言葉が心に刺さる。

最後に、いじめていたグループの子達も
オギーの勇敢さ、おもしろさ、かしこさに惹かれて
オギーはどんどん人気者になり、学校のMVP賞を受賞。

オギーは中盤から
いじめっ子から何をされても屈しなかった。
強く、逞しく、勇気を保ち続けたのだ。

母は「心はその人の未来を示す地図。」と
オギーへ言っていたが、
オギーは皆の“太陽”となり、多くの人を明るく照らしたのだった。

そこには、素敵な家族の支えがあったからだった。

◯印象に残ったお芝居
・学校でかわかられても、
その時はグッと堪えていたオギーだったが、
家に帰ると感情を抑えきれず「なぜ僕は醜いの?」
と母の前で泣いてしまうシーン。
溜め込んだ自分の悲しい気持ちを、人へ吐露するときは、
嘆くように声が大きくなる。そんな悲しみをぶつけるオギーに涙が止まらなかった。

そして、
それを受けた母は、オギーの目をじっと見つめながら
悲しみを取り除くように、強く諭していく。
「ママの目は綺麗と」
と姉のヴィアが言ってる傍白のシーンがあったが、
本当に母(ジュリアロバーツ)は綺麗な目をしていて、
その目力と眼差しに吸い込まれそうだった。
全てのお芝居の一挙手一投足が真剣で、
相手と真っ向から向き合って演じられていたのが伝わった。
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