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ワンダー 君は太陽のTPのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.1
 トリーチャーコリンズ症候群を患い、27回に及ぶ手術を経験してきたオギーは小学5年生にあたる年に、初めて小学校に入学する。
 しかしその特異な外見から避けられ、虐めも受ける。それでも両親や姉の温かい励ましを受けて学校生活を続けるうちに理解する友達もでき、彼の前向きな生き方は周囲の人の考え方も変えていく。

 私にはシリアスな内容の作品ほど、おかしな展開、甘々な展開に引っかかってしまう傾向があるのだが、本作では悪い人物はほとんど登場せず都合よく話は進んでいき、全編が人に優しい展開で進むため大枠でファンタジーと捉えたので、甘い展開に目くじらを立てずに観られた。

 描き方によっては、強引にお涙頂戴的な展開になり、かえって戦略的と感じさせる危険性をはらむ題材なのだが、両親があまり感情的にならないこと、複数の登場人物の視点から描かれていることから、本筋である難病を患った少年だけの成長物語になっていないのが良いところ。
 特に、両親がかかりきりなため、弟に対し嫉妬を感じながらも大事にしている心優しい高校生である姉の、恋模様も交えながらの成長の描き方がいいスパイスになっている。
 一方で、姉の親友だったミランダのパートがちょっと端折りすぎで、舞台の主役の直前の交代劇などはちょっと無理があり、ミランダが魅力的なことから(後述)、ここをもう少し丁寧に描いてほしかったところ。

 ミランダを演じたダニエル・ローズ・ラッセルのスターとしてのオーラが半端なく、このこ、今かなり注目されてるんじゃない?と思ったら、映画出演は本作のみ。しかし調べてみると今はドラマで活躍しているみたい。今後の映画界への進出を楽しみにしよう。
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