素晴らしい。評価に違わぬ良作でした。
顔が変形した子のヒューマンドラマと言われたら、そこが焦点になるのは想像してたけど、本作では多くの視点を描く。タイトルの「君は太陽」にも裏の意味が含まれ、本作は多面体になっている。
これはオギーの物語(だけ)ではなく、それをとりまく人々の物語。
特にミランダの視点が良かった。変わってしまう子の事情って確かに盲点になってて、知らずに無視してしまう。加害と被害は表裏一体。それを無視しないんだ、ちゃんと見てあげるんだ、というところがこの映画の良さであり、優しさなんだと思う。
我々はどうしても見たいところだけを見ようとする。このジャケット写真もある意味で踏絵になっているような気がした。ヴィア(お姉ちゃん)が家族から一歩引いて歩いていることに当初の自分は違和感を感じなかった。このジャケットは、お姉ちゃんは一歩引いてくれてて当然、と思っている観客の視野の狭さを試しているのかもしれないなと。
ちなみに、どう見ても人格的すぎるお父さん視点も見たかった。普通の親って、そんなに完璧じゃないから。