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ザ・ブック・オブ・ヘンリーのmappiiのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

フライヤーとは裏腹に重くて辛いけど、すごくいい話だった。

11歳とは思えないほど冷静で、現実主義で、子どもらしいユーモアもあるヘンリー。
余命が分かってもあれほど落ち着いて、終活的なのを勧められるのすごいな。感情をあまり出さないけど、愛情に溢れてる子って感じが印象的だった。

最初、弱虫でお兄ちゃんにどこまでも着いていってた可愛いピーターが、自立して、ものをはっきりと言えるようになった時、めちゃくちゃ感動した。
母子家庭っていう環境もあるんだろうけど、あんなに小さいのに家族の死を乗り越えて前を向けるってやっぱりすごいと思う。

クリスティーナにとって、暴力を振るう父がいなくなるのと、毎日暴力に耐えながらも親がいるっていうのどっちがよかったのかな。
どんどん心を閉ざしていくのがわかってしまうけど、最後はスーザンに抱きしめてもらいにいってたから、その辺、本当に難しい。

グレンが児童虐待を続けることは犯罪だし、警察の権力を悪用して事実を揉み消すんはタチ悪いというか腹黒いけど、それを阻止する方法は殺害しかなく、もしも本当にスーザンが撃ってしまったらスーザンも犯罪に加担することになる。
この矛盾があって、両方とも納得してしまってたから、次の展開まで心臓ばくばくやった。

重いテーマが重なっているからこそ、こうやってそれぞれの人物の心情を考えさせられた。
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