ゴン吉

影の軍団 服部半蔵のゴン吉のレビュー・感想・評価

影の軍団 服部半蔵(1980年製作の映画)
3.8
徳川家光死去にともなう政権をめぐる陰謀を描いた忍者アクションドラマ。
渡瀬恒彦が主演、西郷輝彦、緒形拳、山村聰、成田三樹夫らが共演、森下愛子と原田エミがヒロインを演じる。

慶安四年二月、三代将軍家光が死去する。
当時、伊賀忍者は下の服部半蔵(渡瀬恒彦)と上の半蔵(西郷輝彦)が率いる二つのグループが存在し、下の半蔵らは、政権とは距離を置いて盗みを働くなど自由に生きていた。
一方、上の半蔵は会津藩主に仕えて旗本になることを目指していた。
そんな折、老中松平伊豆守(成田三樹夫)は幕閣に賄賂をばらまいて政権を握ろうと画策し、甲賀四郎兵衛(緒形拳)が率いる甲賀の忍びを従え暗躍させていた。
さらに下の半蔵も配下にしようと企て会津藩主の暗殺を命じるが、政権に興味のない下の半蔵は拒否する。
甲賀四郎兵衛が下の半蔵と敵対することになったので、上と下の半蔵は共通の敵、甲賀を倒すために手を結ぶが....   

キャストが豪華ですが、主人公の下の半蔵に加えて上の半蔵など登場人物が多くて各々が引き立たない。
さらにくノ一が二人登場し、それぞれ恋が絡むものの、扱いが軽くて残念。
特にヒロインを演じる森下愛子は美人で体をはった演技が魅力的だっただけにメインストーリーに絡んで欲しかったし、もう一人のヒロイン役の原田エミは全く存在感がない。
折角のWヒロインなので、恋はしっかり描いてもらいたかった。
伊賀忍者と甲賀忍者の戦いはアメフトの試合のようなアクションで好き嫌いがわかれるかもしれない。
カメラワークや映像は、闇夜やスモークで影と光を巧みに使うなど凝っていただけに、ストーリーや演出に締まりがなく、ラストの締めもよく理解できず残念でした。 

2023.3 BS日テレで鑑賞(特選時代劇)
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