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潜水艦クルスクの生存者たちのkyokoのレビュー・感想・評価

3.9
『レッドスパロウ』でプーチンもどきを演じたマティアス・スーナールツと、リアル妊婦のレア・セドゥやコリン・ファースといった有名どころをメインキャストに据えて、リュック・ベッソン総指揮、トマス・ヴィンターベア監督が全編ほぼ英語でロシアで起こった潜水艦事故の悲劇を撮るという、一瞬豪華なキワモノかと疑ったけれど、これがなかなかに見応えがあった。

2018年の映画がこのタイミングで公開されたことはある意味奇跡的。
国の威厳保持のために、自国民に対して平気で嘘をつき、命をも軽んじる。今のロシアと1ミリも変わっておらず、ほんと胸くそ悪いったらありゃしない。名優マックス・フォン・シドー(エクソシスト神父)がちょっと気の毒になるほどにほんとにイヤな役だった。

実話ベースであることには違いないけれど(注射ぶっ刺し映像はネットに上がっている)、艦内で起こったことはほとんどがフィクション。いつもなら「いや、作り過ぎでしょ」と突っ込んでしまうところなのだけど、遺族に寄り添った物語としてこのドラマティックさはアリ。
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