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if もしも・・・のbennoのレビュー・感想・評価

if もしも・・・(1968年製作の映画)
4.1
とてつもない魅力のアイコン…マルコム・マクダウェル…。

反骨的な目のインパクト…ドキっとするほどカッコ良く、ゾッっとするほど猟奇的…『時計じかけのオレンジ』も見事でしたが…反逆児の役はピカイチです。

英国で500年の伝統を誇る全寮制のパブリック・スクール…厳格な教育で知られる名門校にも反逆分子が…ミック(マルコム・マクダウェル)、ジョニー、ウォレスの3人組…。

彼らはウォレスを慕う美少年フィリックスとカフェの女店員を仲間に引き入れ"革命"を企てます…。

決行は学校の開校500年記念祝典の日!!

彼らのお遊びのような世界が現実のテロを反映したラディカルな暴力の世界へ…

今作は8つの章に分かれていて、それぞれのタイトルもアクセントになり観やすくなっています。

60年代後半という時代背景は日本でも学生運動が盛んな時…今作でも若者たちの目に見える敵は教師であり、監督生であり、軍人…しかし根底にあるのは自由を求める闘いで、幻想的な描写が活きています…。

それは、何度も画面がモノクロになったり、カラーになったり…その意味を考えながら観ているうちに、それらには一貫性は感じられず、現実と妄想の境目は見事に消え去ります…。

印象的な場面は…ミックとジョニーが盗んだバイクで疾走…鬱屈した学園生活から開放的で抜けるような映像…カフェを訪れ女店員と"タイガー・ファイト"(虎の真似で洒落愛)…そして突然全裸に…エキセントリック!!

また、反逆児3人が懲罰としてお尻を鞭打ちされるシーンではとても冷ややかなに淡々と描かれます。

もうひとつ…大規模な擬似軍事訓練には驚きます…。中高生が軍服を着て擬似人殺しごっこ?! 荘厳でステンドグラスも美しい校内で歌う讃美歌との違和感には恐怖しかありません…。


今作の主人公ミック・トラヴィスに憧れたひとりがあのマーティン・スコセッシ監督…『タクシー・ドライバー』の主人公の名前はここから付けられたそうです。

エンディング…絶妙なタイミングでの真っ赤な文字 “if…”がとても印象的…。


thanks to; レネリーさ〰︎ん ⑅࿐𓏸ꨄ
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