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ドッグ・イート・ドッグのペジオのレビュー・感想・評価

ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)
3.7
原作は10年以上前に読んで興奮した記憶
故にどうしても原作目線で語りたくなる(他人にやられるとウザく感じることもありますが、どうしてもやりたくなっちゃう。反省します。)

小説を読んだ時に頭の中で登場人物のイメージに合ったキャスティングをして夢の映画を妄想してしまうのは映画を見続けてきた者の性だと思うが、原作でも一番キャラが立っていたマッド・ドッグにウィレム・デフォーを配したのはドンピシャだった(何で自分は思い付かなかったのか。)
主人公に対して捨て犬の様な眼差しを向けるイカれ殺人マシーンを熱演している…からこそディズニーランドのシーンはやって欲しかったなあ!(原作でも数行のシーンだが、マッド・ドッグの一番重要なシーンでもあるので。)

ディーゼルは原作では主要3人の中で一番一般人に近い感覚を持ったキャラという印象だったが、映画では当事者にも関わらず一番客観的に出来事を見ているどこか達観したキャラになってより魅力的になっていたのが嬉しい驚き
ディーゼルのキャラこそ原作の主人公トロイのイメージに近いので、彼が主人公の方が良かったとさえ正直思う(マッド・ドッグとの絡みも多いし。原作で主人公トロイが◯◯を◯◯する役割も彼が担っていた。)

結果主人公トロイのキャラが薄くなってしまった感はあるが、「無駄な殺しはしないが、必要なら躊躇はしない」というカリスマ的な犯罪者像はニコラス・ケイジの「腐ってもアカデミー賞受賞者」オーラも相まって保たれてはいた

やはりトロイとマッド・ドッグとの絡みがもっと必要だったな
原作の「殺人マシーンを飼っているというアブナイ優越感」がトロイのカリスマ性には重要な要素だったのだ
ある意味で映画の改変によって原作の本質を改めて理解した気がする

「三振法」というシステムに起因する犯罪者のどん詰まり感と呆気なさは原作イメージと遜色無いので満足
エドワード・バンカーの原作にある激安犯罪者たちの生態を描く事で高尚な領域に踏み込む様な世界観は非常に好きなので、何としても「ストレート・タイム」(ダスティン・ホフマン主演)は観たい

…「原作」っていっぱい書いた
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