デニロ

古都のデニロのレビュー・感想・評価

古都(2016年製作の映画)
3.5
何を観ようかとネット検索をしていたら『古都』という作品が上映されると出ていた。パスだなと思いつつ監督、出演者を見てみると、なんと!!橋本愛が出ているではないか。という訳で、彼女を観に行くためだけに出掛けていく。最近彼女の出演作は全く面白くないのだが、今回もその不安を含み持ちつつの鑑賞。

川端康成が描いた原作のその次の世代を今日に当て嵌めて脚色した物語になっている。具体的には原作の双子姉妹の子世代の話にした。とはいえ、親世代も原作の時代とは異なってしまっているのでちぐはぐ感は否めない。いや、京都だけは特別な町で時間も政治も社会も動いてはいないのかもしれない。大阪の人間が言っていた。京都は閉鎖的だから、商売も暗くていけない。

双子姉妹のストーリーをその娘たちに当て嵌めているんだが、観ている途中でラストシーンが分かってしまうような緊張感のなさ。双子世代を松雪泰子が二役で演じ、その若き頃を双子姉妹の蒼れいな、蒼あんなが演じる。松雪の娘たちに橋本愛、成海璃子。中途半端な原作解体に思えてならないし、せっかく川端康成を持ってきているのだからじっくりと性的感情を掻き立てさせてくれてもよさそうなものだ。

橋本愛と成海璃子の間の抜けた邂逅シーンがもったいない。布団のシーンをこの二人に割り振って本作の見せ場にして欲しかった。

という願望です。平板すぎて面白くない作品。京都の風景が隠れた主役です、だなんてもはや何を仰っているのか分かりかねます。
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