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東京喰種 トーキョーグールのshihoのレビュー・感想・評価

4.6
ヤングジャンプの人気漫画の実写映画化作品。

人の姿をしながら、人間社会の中に潜み人を食らう存在である《喰種:グール》という存在がいて、《喰種対策局(通称CCG)》という機関があり、実際に喰種を見つけ出し狩る《喰種捜査官:通称白鳩(ハト》がいる、という世界設定。舞台は日本の東京。これが前提。

主人公の金木研(かねきけん)は人間の普通のおとなしい男の子だったんだけど、ある出来事をきっかけに半喰種になってしまい、人間側と喰種側の間に立たされることになります。

うん、これね、原作一期好きだった私は☆4.9くらいあげたい出来栄えなんですよ!
キャラクターの2次元→3次元の稀に見る再現率と配役の良さと各役者さんの素晴らしい仕事ぶり、
喰種という生き物の「食」についての説明の流れの良さ、金木の「人」でありたいという意思と喰種化の苦しみ、その間でもがき葛藤しながらも「大切なひとを守りたい」という気持ちで闘う姿、エピソードやキャラを端折りつつしっかり見せ場を作って盛り上げられている。タイアップ書き下ろしであろうEDまでいいときたもんだ。全体の世界観のまとめ方としてかなり原作に近く、ファンには嬉しい仕上がりでした。

でも一つかなり残念なのが、この映画の中には喰種の特徴であり体の機能であり武器となる器官「赫子(かぐね)」の説明が全くないんですよ。
3分〜5分でいいから尺とって入れて欲しかったなぁ。
もう観た人でなおかつ原作未読の人はわかると思うんだけど、あの体から出る鋭利なタコの足みたいのだったり羽みたいなやつね。
「一体そないな大きさのモンどこに格納してるんじゃい?!」って思いませんでしたか?笑
あれ、格納してるんじゃなくて瞬時に具現化する器官なんです。

これが解るとアクション作品としても面白さが全然違うし、何パターンかタイプが分かれてて各キャラで違うから、ぜひぜひ原作未読の方で「もう観たけどなんかまぁまぁ窪田正孝の演技がヤバ気なアクションもの?漫画実写化モノとしては悪くないんじゃない?」みたいなぼんやりした印象で終わってしまった人、またはこれから観ようかと思ってる人も
この「赫子(かぐね)」が如何なるものか知ってほしいなと思います!
(もう知ってるよ!という方は枠内スルーでOKです♡)

Here we GO!!

(●・ω・)ノ------------start------------

《赫子(かぐね)について》
まずこの世界には架空の物質であるRc細胞というものがあり、普通の人間の体内にも微量ながら存在していますが、喰種は人を食べることでこのRc細胞を『赫包(かくほう)』という器官に溜め込みます。これが赫子の発生源。Rc値≒赫子の強さとも言えます。
戦闘態勢になった時にこの赫包から体を突き破り、赫子が出現するのです。
血のように流れ、色は赤黒く発光し、歯よりも硬い強度から『液状の筋肉』と例えられています。
この赫子の出てくる位置によって、主に4パターンに分けられています。
出来るだけ簡単に説明します!笑

①羽赫(うかく)
名前の通り羽のような形状で肩の辺りから出現。
基本的には速さと遠隔攻撃が武器。
弾丸のように赫子を飛ばして攻撃する種もおり、形状も不安定なため持続力は低め。短期決戦型。

②甲赫(こうかく)
肩甲骨付近から出現。赫子の中で随一の強度を誇り燃費もいいが、重さがある為扱いが難しい。
槍や盾状にして使う喰種が多い。
重量系攻守型。

③鱗赫(りんかく)
腰部部分から触手のように出現。
表面は名前の通り鱗状。一撃はズバ抜けて強力で、体の再生能力も高い。
が、反面は防御には不向き。
多彩攻撃特化型。

④尾赫(びかく)
名の通り尻尾のような赫子。
中距離戦を一番得意とする。攻守バランスも取れているが、イマイチ決めてに欠ける部分もある器用貧乏無難型。

①②③④の順に並べて、赫包の位置が一つ上の種に対して優勢であり、一つ下の種に対しては不利であるとされています。

更に、狩った喰種の赫包を元に、CCGは独自技術で武器を作っており、それが白鳩の武器《クインケ》です。持ち運びできる箱型になっており、開くと赫子が発生します。
つまり
「バケモンにはバケモンぶつけんだよ!」
の如く
「赫子には赫子で闘うんだよ!」
ってなわけですね。

喰種同様、この白鳩が持つクインケも(元の喰種が存在するだけにエグい設定ですが)個性が出てて面白いですよ。基本的に上位の捜査官に強いクインケが与えられますし、自分で狩った喰種の赫子は自分のクインケに出来ます。元の喰種の名前そのまま名付ける者もいれば、自分で好きな名前つける者もいます。

(○・ω・)ノ-------------end-------------

はいっ!それではここからは私が一番やりたかった各キャラ・役者さんへの感想を書いていきます(*°∀°)=3
なお、出来る限りストーリー展開のネタバレは避けたいのでストーリー展開に関わるキャラクターはネタバレコメ欄に書きます。
激しいネタバレではなく、「ストーリー概要知っても問題ないよ」という方は読んで大丈夫です٩(ˊᗜˋ*)وむしろ読んで!笑

【キャラクター名/赫子orクインケタイプ/役者名:点数(100点満点)】
※点数はキャラの再現率、演出、役者の演技を統括してのものとする。

【金木研/人間→半喰種・鱗赫/窪田正孝】
:採点不能 最優秀賞☆
元々は高校生設定で少年体型のカネキをヒョロい大人の窪田くんがやるの〜?
と制作発表された時から思ってたけど、そこは大学生設定にされたことで難なくクリア!
細かい目の動きから声の出し方まで、引くほどカネキでした。駆け出しの頃から誰かも知らず「この俳優さん上手いな」と思っていましたが正に憑依型俳優です。
日本のエディ・レッドメインと言えば彼が最有力候補ではないでしょうか?
彼の存在・演技なしにはこの作品の世界観はここまで良くならなかったでしょう。そのへんの大根イケメン俳優にやらせてご覧なさい?いくら脇役が頑張ったって駄作になってたかもしれません。

突然ですが主に女性の皆さん!
あなたは窪田正孝の顔(から出た血)を舐め回すか、窪田正孝に顔(から出た血)を舐めまわされるか、どっちがいいですか?
どちらのシーンもあったのですが、私は断然前者ですね。痛いのやだし笑
タイプじゃないけど綺麗なお顔だし。

はい、大活躍でした。素晴らしい役者さんです。(窪田くんってMぽいよな)


【霧嶋董香(トーカ)/喰種・羽赫/清水富美加→千眼美子】:108点
彼女の演技は実は初めて観たけれど、役者としてとても良いものを持っている。トーカを完全に再現しつつむしろ漫画のトーカより魅力的だ。
声の出し方と美脚。アクションも上手い。スタイルがいい。
漫画の彼女の羽赫の描写メッチャ好きなので、もっとそのシーンが欲しかったな!
そんなに演技が苦痛そうには見えなかったけど、どうしちゃったのかしらね。勿体無い。目を覚まして!と言いたいところだけど千もおめめあっちゃそれも無理な相談かしらね。
素晴らしいトーカをありがとう。


【亜門鋼太朗/白鳩・甲赫クインケ/鈴木伸之】:97点
はい注目!ここテストに出ます!
今作に甲赫の喰種は残念ながら登場していませんが、亜門の使っているゴッツイのは甲赫のやつです。
相当な腕力がないと扱えない代物です。
役者の鈴木くん、劇団EXILEの人なんですね。「スレイヤーズ・クロニクル」ではヤンチャなお兄ちゃんな役でしたが、亜門みたいな堅物純粋生真面目男も出来るのか!と感心しました。衣装の肩周りがちょっと大げさだった(笑)のと、原作の亜門と比べるとちょっと目力が足りないとこだけちょっち減点。でも私的には好みのお顔です(*´꒳`*)え?聞いてない?
今後の活躍にも期待ですね!


【真戸呉緒(まどくれお)/白鳩・鱗赫&羽赫クインケ/大泉洋】:106点
原作の真戸はマジ目がギョロっとして絶対喰種殺すマン・サイコ野郎感すごいので、髪型以外の再現率はそう高くないのです。
それでもゾッとする演技、素晴らしかったです。大泉洋さんの演技もほとんど見たことなくて「面白くて気さくなおじさん」だと思ってたのでその印象を覆させられましたね。こわかった。
原作を超えて独自の「真戸」を作り上げていました。すごい。

【西尾錦(にしおにしき・錦パイセン)/喰種・尾赫/白石隼也】:102点
なんか名前に既視感あるぞと思ったらそれはホラー監督の白石だった、というのは置いといて、見た目と雰囲気、キャラクターとしての再現率は完璧。もう彼が一声発した時点で
「錦!これはまごうことなき錦!!」ってなった。衣装さんも素晴らしいし俳優さんも素晴らしいです。尾赫の名の通り(違う)尻尾巻いて(切られて)逃げようとた時のドアバーン!!には笑いました。
ただね、錦パイセンはヤリ○ンではないはずなんですよ。原作ではね。
そこの設定何故変えた?なんとなく怖い存在にしたかったのはわかるが?というポイントだけが減点デス。

よし、キリがないからあとは簡易的に

・笛口母・芳村ジイ:100点文句なしです。
・四方(よも)・ウタ:90点。無難に良し。
・ヒデ:85点。役者さんは悪くない。ただちょっと原作と見た目が合わない。
・草場さん:100点 脇役ながらにまんまやんけ!という再現率。

・カヤ(佐々木希):どこにいた?


こんなもんかな?リゼとヒナミはネタバレに書きます。

では次に各シーンについて

・白い背景の修行シーンはサクサク進んで良かったと思う。

・金木のマスクは漫画では好きじゃなかったんだけど、映像で見ると(かなり力入れて作ったなぁと思った)かなり良かった。金木自身は笑ってないのに、笑っているように見えるのがまた彼自身の今の状態を表しているようにも見えた。

・金木VS亜門シーンは、彼らの演技と戦闘自体は良かったんだけどあんな格ゲーのステージみたいなところじゃないんだよ、原作は。
確かに全体的に採光の暗い映画ではあるよ、暗くて何やってんだかわかんなかったら困る、抑揚をつけたい、それもわかるよ。
でもあのシーンは暗い道端でやんなきゃダメなんだよ〜。゚(゚´Д`゚)゚。
赫子もクインケも発光してるからなんとかなるやんけ!
と、思い入れのある名シーンだけにそこだけ文句あります。笑

以上です!
ふわぁ〜恐らく私のレビュー史上最長になってしまいました☆
ここまで読んでくれた方、いるかな笑?
得点は赫子の説明部分だけ初見の人には不親切だな、ということ私のあげたい点数から-0.2、映画全体の質・格への評価として−0.2点しときます笑

トーカが千眼さんになっちゃったし、この後の更に凄まじい展開を考えるとここでやめておくのが正解でしょうし、多分続編は出ないでしょう。
漫画も2期の最終巻がもうすぐ出る?らしいので、一度レンタルで読み進めてあまりのエグさ、鬱展開、悪趣味具合に2期の途中でやめてしまっていたのですが、改めて振り返ってみるとやっぱ作り込まれた世界観があるし面白いんだよな。これを機にそのうち一気読みしてこの作品の最後を見届けようかなと思ってます(*´∀`*)

満足!!読んでいただいてありがとうございました♡
shiho

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