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繻子の靴の白のレビュー・感想・評価

繻子の靴(1985年製作の映画)
1.5
¥5000払ったからと言って好評価への強迫に駆られるほど自分の魂のステージは低くないです。
優れて全体を語れない断片の集積と言いますか、ナラトロジーとショットの強度が(世間的に広く知れ渡ってる「神曲」以降と比べて)かなり脆弱。演劇と映画の権力関係を哲学するみたいな副主題が至極遠くに感じられるほど退屈なのだが...戯曲のスケールは「クレーブの奥方」くらい大胆に映画的翻訳を果たしてくれた方が良い。せっかくセットを拵えてるのに、実は舞台を映してますみたいな細工で幾つも実存のレイヤーを重ねることの実験性が飲み込めない。この映画を上映するくらいなら普通に原作を配り歩いた方が良い。
映写の問題もあるけど画面がしばしばガタつくのがキツイ。
「ボレロ」みたいなBGMがしばしば流れる。
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