イチロヲ

ロリータバイブ責めのイチロヲのレビュー・感想・評価

ロリータバイブ責め(1987年製作の映画)
4.5
行方知れずの同級生男子を捜している女子高生(木村さやか)が、私立探偵を騙る猟奇殺人犯(伊藤猛)に拉致監禁されてしまう。性倒錯を内在化させている男女の奇妙な交流劇を描いている、日活ロマンポルノ。獅子プロダクション製作。

青年が標的となる少女を拘禁するのだが、「その少女のほうがヤバい奴だった!」という逆転現象が起こる物語。未発達な体つきを残している木村さやかの説得力が半端なく、「未熟だからこその怖さ」が痛烈に伝わってくる。

ヒロインを監禁する青年は、バイブを使った凌辱プレイと写真撮影に興じてから、殺人行為に及ぶというサイコ野郎。その他にも、カラースプレーを身体に吹き付けたり、殺害後の死体に尿をぶっかけたり、清々しいほどの悪逆ぶりを披露してくれる。

何よりも、佐藤監督特有の理屈っぽさが最小限に抑えられており、バイブ愛好家の物語がシンプルに進行するところが嬉しい限り。ヒロインとその友人たちが繰り広げる、痛々しくも可愛げがある掛け合いもまた魅力的であり、ついつい口角が上がってしまう。
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