犬里

デビルシャーク/エクソシスト・シャークの犬里のレビュー・感想・評価

2.1
何とか話についていこうとして必死で観てしまった。大筋は何となく分かったような気がする。たぶん。
序盤はわりとセリフあったのに、後半セリフが少なく、何が起きているのかを画面を見て判断しないといけないので大変だった。映画の中で、なんでも言葉で説明されると興醒めすると思っていたけど、台詞がなさすぎる&ストーリーを映像で表現しきれているわけでもないと、それはそれで理解が困難になるんだな。
「このシーンは監督が特に撮りたい映像なんだろうな」というのは他の映画でも観ててわりと察しがつくものだが(絵的に映える、印象に残るシーンが多い)、本筋に関係ないシーンを「撮りたいから」でやたら入れると、視聴者が混乱するからやめてくれw
場面転換が急すぎるし、登場キャラも多すぎるし、キャラクターの個性も薄いので、誰が誰だか分からなくなってしまう。
「これは誰?何やってるんだろう?」と必死に考えているうちに次の全然関係ないシーンに転換しているので、置いてけぼりになってしまう。

・神父の回想シーン→これが一番よく分からなかった。妹を呼び出す降霊術と、墓場で苦しむ悪魔憑きっぽい女性の関係が不明。妹なのかと思ったけど呼び出してるお姉さんと人種が違うし。「悪魔といえば昔こんな事件があったなぁ…(サメとは特に関係ない回想)」て感じなのだろうか?
・冒頭とラスト→この2つのシーンも繋がってるんだけど、本筋のアリ&神父の話とは特に関係なさそう。サタニストのシスターが人を殺して、悪魔がいる?湖に捧げてたけど、冒頭刺して沈めた人が悪魔化してシスターを引き込んで、シスターも悪魔鮫に食われた、で合ってる?
・盗撮シーン→悪魔にもサメにも関係ない、ただの変質者のシーン。これは監督が撮りたかっただけ
・水族館→サメ信者はどこにでもいる…みたいな感じ?発想としては悪くないが、半分くらい俳優さんとのデートムービーみたいになってて、「何を見せられてるんだ」の困惑が強い。これも本筋と特に関係なさそう。せめて本編に出てきたキャラクターがこれをやってたらよかったけど、赤毛の人もこのシーン初出の新キャラだよね?
・天使タトゥー→アリを演じた俳優さんがアンジェラという名前だったのでなるほどねとなった。

サメと悪魔というのは意外と相性がいいのかも知れない。
・サメ映画のお約束→サメはどこにでも出る、サメには人間は勝てない、とにかく理不尽
・悪魔映画のお約束→悪魔は突然現れる、悪魔には人間は勝てない、とにかく理不尽

これはちゃんと守られていたので意外と堅実な作りではある。(堅実な本筋に、関係ない枝葉がつきすぎ)
しかしそう考えると、サメ映画のサメって悪魔映画の悪魔と立ち位置が似てるんですね。
悪魔とサメを合体させるのはわりと相性良いんだなとは思ったけど、それをやるなら悪魔とサメの属性の差別化がもっとはっきりしていたほうが面白いですね。
本作では最初から「悪魔サメ」という二者が融合した、もやっとした存在として出てきたけど、たとえば凶暴なサメにサタニストがアレコレした結果、サメに悪魔が憑いちゃって大変!みたいな、「悪魔サメ」のオリジンを冒頭か途中の回想でやってくれたら良かった気もする。
本作品の悪魔要素は、取り憑かれ描写と嘔吐と悪魔祓いを形式的に撮ってる感じがして、ちょっと勿体ない。

なんかもっと何とかできただろ!!という感じはありますが、目を引くシーンは多々あったし、カメラも手ぶれ少なく安定していたし、音声も聞き取りやすいシーンが殆どだったので、決して最底辺ではないし、光るところはある映画かなとは思いました。
てかよく見たら日本版のメインビジュアル、デビルマンみたいなロゴなんですね。なんじゃこりゃー
犬里

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