あけび

ジーザス・クライスト=スーパースターのあけびのレビュー・感想・評価

3.8
ジーザスクライストスーパースター、通称JCSは1973年映画版や2018年のライヴインコンサート版など、さまざまなバージョンを日本から観ることができる数少ないミュージカル作品。
私は舞台を含めて6種類目のJCSでしたが、濃いめの味付けでかなり好きなタイプでした。

全編歌で同じ楽曲なのに、それぞれ違う演出やキャスト。その差を比べるのが楽しいのがJCSの魅力。
今作はとにかくユダ(ジーザスを裏切って敵方に密告した人物)が主役と言っていいほどの存在感
それ以外の人物もキャラクター濃すぎて面白い域。

ユダはこの物語の狂言回しかつヴィランかつヒロインなので、演技によってこの物語の方向性まで変えられてしまいます。
今作は大袈裟なぐらいユダがラブを全面に出すので
ユダからジーザスへの愛情、執着心が強く感じられました。

基本的にJCSでは、ジーザスが神に選ばれたのと同じようにユダもまた運命を定められた人として描かれますが
今作は二人がお互いがどこか深いところで繋がっていて、補完しあっているように見えました。光と闇、二人で一つのような…。

来年にはついに数年ぶりの劇団四季によるジャポネスクバージョンが始まるということでとても楽しみにしています!
その予習としてもこの作品は良いのではと思いました。
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