けーはち

ジーザス・クライスト=スーパースターのけーはちのレビュー・感想・評価

3.6
※2000年版のJCS。アリーナツアーの方にレビューを書いていたので移動。

★クライマックスで歌い上げられる「スーパースター」のメインテーマが各所で登場する等リアレンジはあるものの、楽曲は基本的に73年版の再現(もう少し2000年っぽくアレンジしても良いのになぁ〜と思いつつ)。演者の差がはっきり出る。今回ファンキーさよりマグダラのマリアのコーラスや、総督ピラトのソロなど愁嘆場での盛り上げ重視で攻めてくる。

★エルサレムの広々した土地にセットを持ち込んでロケを行った73年版とは対照的で、2000年版は小ぢんまりな舞台劇としてスタジオ収録。演劇的な演出と映画らしいカメラワークの合わせ技で濃密な映像にキリストvsユダのドラマを収めている。

★73年版「現代の若者」はヒッピーだったが、本作だとストリート系になっている。悪役は、モロに『ブレイド』『マトリックス』の影響下と思われる黒いスーツのいでたち。ヘロデ王の白スーツに、バニーガールのバックダンサーたちもなかなか印象的。そして、ユダは「スーパースター」のメインパートで深紅のレザージャケットを着て、死にかけのキリストに対して濃厚に絡んでくるのが楽しい。

★73年版と本作を比べ、いずれも良さがあるが、やはり聖地エルサレムの、だだっ広い荒野でのロケや、ヒッピーがドカドカやってきてセットを持ちこんだり撤収したりする「空気」がそのまま詰め込まれた73年版がオリジナルかつユニークで好きだなぁ。