もっさん

永遠と一日のもっさんのネタバレレビュー・内容・結末

永遠と一日(1998年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

今日が最後の日だ。
持病を患った詩人のアレクサンドレは入院前の最後の一日に、幼少期の記憶をみる。
引きこもり続けていた彼はおそらく外の世界での最後の一日だと悟っており、旅に出ることにする。

物語の序盤から、画面を通して死への絶望感を感じる。
春は約束を守らない。
この冬には命が終わる事を自分自身でわかっている。

静かに物語は進んでいくが、回想とのシーンの繋ぎ方の工夫が良い。
亡き妻の気持ちに改めて気づき、取り戻すかの様に手紙に残されていた「私の日」を妻と過ごし、
不法入国の小さな少年に過去の自分を重ね合わせ共に夢のような回想の旅をし、言葉と彼の旅は永遠に続いていく。

言葉が綺麗な映画は良い。
ガンツさんは若い時からくたびれた感じが似合うなー。

詩人ソロモスの未完の詩集の続きを考えていたが、言葉が見つからない。
その答えは見つからないんじゃないかな、永遠に。
別の人間なんだから。
想いを馳せる以上の結果はない訳だし。
だから明日の時の長さは?と聞いても返ってこない。

そして奥さんとの最後のシーン。
明日の時の長さは?
永遠と一日。
秀逸。

自分はタルコフスキーさんの方がより崇高には感じますが、その雰囲気の作品が好きな人はまあ絶対に好きでしょう!
もっさん

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