死を前にした詩人が永遠に近づいた日
現実と記憶が交錯し、詩人アレクサンドロスは旅立ちの前に言葉を探します。アルバニア難民の少年から知らない言葉を買って。
テオ・アンゲロプロスの現代劇は初めて。なのに懐かしい。いつの間にかアレクサンドロスの思い出の中に誘われていました。
アンゲロプロスのいつもの海岸、港、川、廃墟、海の家。
悲しい調べで踊る人びと。
花嫁はオルゴール人形のように踊る。
いつも居場所がなかったのは誰だった。
アルバニア難民の少年とバスで町を回り、記憶が波のように押し寄せる。
「明日の時の長さは?」
「永遠と一日」
詩情豊かで、ブルーノ・ガンツのやわらかい笑顔と、少年の真っ直ぐな瞳が、死を受け入れた人の人生を優しく彩っていました。
特典映像でのアンゲロプロス監督のお話もよかったです。