バニラ

永遠と一日のバニラのネタバレレビュー・内容・結末

永遠と一日(1998年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

老人アレクサンドロスは重病を患ったために翌日から入院することが決まる。
愛犬と散歩に出たアレクサンドロスは街で車の窓拭きをして生計を立てる難民少年と出会う。
難民少年が人身売買の男たちに連れ去られ、後を追ったアレクサンドロスは手持ち財産を払って少年を人身売買の男たちから救い出す。
老人と少年の人生ドラマ。
人身売買も国境の屍も普通に描かれるこの時代のギリシャ、老人と少年の物語はあまりに悲し過ぎ。
叙情的な映像に音楽も哀しみ溢れてた。
老人アレクサンドロスにブルーノガンツ、妻アンナへの思いや病気への苦悩を抱えて、人生の最後に少年を助けたいとリアルに演じます。
難民少年にアキレアススケヴィス、笑顔も泣き顔も幼いから厳しさが増してました。
ネタバレ。(結末)
少年はアレクサンドロスとの別れを惜しみながら仲間と共にフェリーに密航して旅立ちます。
二人の最後のバスも感慨深かった。
アレクサンドロスは空き家となった海辺の家に戻り、アンナと再会して心を通わせる。
アンナに明日の時の長さを尋ねると、アンナは「永遠と一日」と。
「すべては真実で、真実を待っている」と感じたアレクサンドロスは海に向かって少年から買った言葉の数々を語るラスト。
命の最後の一日が希望に変わったのか、シンプルなストーリーも詩人が語る言葉は難解、命を感じさせる監督の感性は感じた。
高得点。
バニラ

バニラ