mickey

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3のmickeyのレビュー・感想・評価

5.0
最後は西部劇!完璧な完結編!

子どもの自分にとっては2が意外と重く緊迫した内容だっただけに、西部開拓史の緩めの雰囲気が好きでした。それに、初めて観た西部劇が本作って最高だったなと思います。作品全体が1と3を反転させたような構成で、似たようなシチュエーションや台詞が出てくるのも楽しい。
1では父ジョージがビフを殴って歴史を変えたように、本作ではマーティがビュフォードを殴って歴史を変え、自分自身を乗り越えた姿は爽快でした。
それから『荒野の用心棒』や『タクシードライバー』等のオマージュもありますが、自分みたいにオリジナルより先にこっちを観ている人って多いんじゃないでしょうか。
ちなみに、クリント・イーストウッドを知ったのはこの作品からでした。

本作はドクとクララのロマンスが軸。
ずっとマーティを助けていたドクが自分の幸せを見つける展開が嬉しかったし、クララとの詩的でクラシックなやりとりが好きでした。『海底二万里』『十五少年漂流記』のジュール・ヴェルヌを引用して語るのも、自分にも分かるネタだったので子供心には嬉しかった。

さて、ありえない話ですが、もし自分とは違う時代の女性に恋をしたら、自分のいた時代と恋とどちらを取るか?
『ミッドナイト・イン・パリ』や『ニューヨークの恋人』にもあった展開ですが、ドクは恋を選び時代も超越する!!
こんな素敵な結末はないです。

最後に、マーティと再会したドクはお祭りの日の記念写真を渡します。これまで過去も未来も変えてきた二人だけど、二人の友情は変わらないということが何も言わなくても伝わってきます。
「未来は白紙。君たちの未来は君たちが作り上げるんだ」
鑑賞後の清々しさと前向きなメッセージに心が温かくなる傑作です。
mickey

mickey