すがり

こどもつかいのすがりのネタバレレビュー・内容・結末

こどもつかい(2017年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

子どもが親を憎まなければならない状況って本当に悲しくて、不幸な出来事なんです。
原因に対する同情は一切なくても変わりなく誰もが不幸だと思います。

母親の怒号と子どもの絶叫から始まるこの映画ですが本当に嫌いです。
もっとミステリチックにホラーしてくれると思っていたけれどそれも叶わず。

虐待に関する話から戒め的な方向へ進むのかと思いながら観ていましたが、保育士の方が虐待されていると思わしき男の子を彼の自宅へ送りに行くところで失望しました。
保育士本人に虐待を受けたトラウマがあるなら尚更別の保育士が送りに行くか、送らない選択肢も確実にあった。
その後自分の家に連れて帰るシーンと矛盾せずにそれらを達成する方法もある。
このシーンや、男の子が助けてくれた保育士さんを結局殺そうとしたり、最後に呪いの品をくすねていたりする部分で、観客と子どもの間にも壁を作っていると感じ、この映画にとって虐待というのはただの部品にすぎず血の通わないものなのだと認識させられ悲しかったです。

しょうもないホラーに多い喧嘩両成敗的なオチはつまらない上に不快。

人形に関してもそう。
人形自身親に裏切られたという思いがあってここまで来ているのに、現在ではただの「嫌いな大人を殺す手段」としての存在価値しか示されていないのも残念でした。

単純な映画の感想を書くなら、
ホラー的に怖いなーと感じるシーンもあったけれど、タッキーが出てきた瞬間雰囲気が柔和して一切の怖さが無くなるのが残念だったと思います。

人形関連のシーンだけ意図的にギャグっぽくしているような気すらしましたが、映画内の現実で描かれている事との温度差が激しく、冷めます。

こどもつかいというタイトルだけは割と好きです。
すがり

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