爆裂BOX

クロムスカル リターンズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

クロムスカル リターンズ(2011年製作の映画)
3.6
サバイバルナイフで女性を惨殺し、その様子を撮影したビデオを警察に送りつける連続殺人鬼クロムスカル。その魔の手から逃れた青年トミーは、再び起こった殺人について警察に協力を求められるが…というストーリー。
あの銀色髑髏面殺人鬼クロムスカルの殺戮スプラッターホラーの続編です。
前作の直後から始まり、前作で顔面ドロドロに溶かされた上に潰されて死んだと思われたクロムスカルさんは強靭な生命力で生きており、謎の組織の驚異の医療技術で顔は大変な事になりつつも復活!再び殺人を行い、新たな獲物を攫い、その捜査に協力することになった前作の生き残りの青年トミーにも危機が迫る!という内容です。
殺人鬼に狙われた疫病神ヒロインが行く先々で善人を巻き込みながら逃げ回るというシンプルなストーリーだった前作と違って、謎の組織のボスだったクロムスカルさんと、部下の一人で勝手に行動して二代目クロムスカル襲名する気満々のプレストンの内紛や、一連の殺人と新たな獲物として攫われたジェスの行方を追う警察、拉致されたトミーとジェスの戦いと前作よりは話が複雑になってます。
今回登場するクロムスカルさんがボスとして属する組織ですが、結局この組織が何を目的にした組織なのか謎のままですね。ビデオ殺人はクロムスカルさん個人でやってた事みたいだし(「単独であまり派手に動かれると後々面倒です」と部下に言われてますし)複雑そうな背景出した割には説明なしという…
前作で生き残ったヒロインが続編の冒頭で殺されるというのはホラー映画のお約束と言えるけど、それをやるのがプレストンというのもね。そこは復活したクロムスカルさん本人にやらせてよ。クロムスカルさんの座を狙う気満々のプレストンも小者感溢れるキャラで魅力的でもなかったなぁ。でも、彼がテキトーなデザインで作らせた全方位に刃がついたナイフは厨二臭いデザインで良いですね。
前作に引き続いて大きな見所であるゴア描写は今回も口の端ナイフで切り裂いたり、顔にナイフ投げつけて頭の皮に中途半端に刺さったナイフをそのままゴリゴリ動かして頭皮切り裂いたり、腹にナイフ突き刺して上まで切り裂いたり、顔に電極付けて水につけて顔崩壊させたり、後ろから刺したナイフで頭部ギコギコ切り裂いたりと痛々しさ感じられるものがあって良かったです。特に女刑事の口にデカいナイフ突っ込んで、それを上から押して口がドンドン切り裂かれる所は強烈でした。今回はクロムスカルさんとプレストンの両方の殺人が描かれます。
クロムスカルさんを追う警察は「クロムメッキ工場が怪しい!」と隠れが突き止める有能さ見せたと思ったら、警察署内でプレストンにトミー誘拐されるわ、武装して突入するも次々返り討ちにされるわとお約束のように無能さも見せてくれます。でも、プレストンもばっちりカメラに写ってるしドッコイドッコイか。
トーマス・デッカーが前作に引き続きトミー役で出演しています。また、クロムスカルさんを追う刑事役で「メンタリスト」のリグスビー役オウェイン・イオマンが出演しています。そしてクロムスカルさん全肯定の有能部下役でスクリーミング・クイーンダニエル・ハリスがカメオ出演。
今作のヒロインジェスは病気で失明寸前で手術に不安を抱えながらも前向きに頑張ってたら獲物として拉致される健気で薄幸なキャラで前作ヒロインよりは素直に応援できます。
突入してきた刑事達をクロムスカルさんとプレストンで別々に殺していく所は意図せぬ共同作業という感じで面白かったです。その後、獲物を巡ってクロムスカルさんとプレストンの戦いが始まる!と思ったらロクに抵抗できずにアッサリ終わるのは腰砕け。そりゃ小者感満載だったとはいえもうちょっと戦って見せてよ…
トミーとジェスが協力しながら協力してクロムスカルさんに立ち向かおうとする展開は面白かったです。トミーはあの後全く出てこなかったのはあれで終わりってこと?
最後に露になるクロムスカルさんの素顔は「バーニング」のバンボロ(クロプシー)ちょっと彷彿しました。
ラストは「ジェイソンN.Y,へ」ならぬあの都へ行きますか。エンドロール後の映像と言い三作目製作意識してますが、監督が2021年に48歳の若さで亡くなられたのでもう続編はないんですね…
前作よりストーリーを意識したつくりですが、ゴア描写は変わらず見応えある作品でした。