くわまんG

ニック/NICK ハードペインのくわまんGのレビュー・感想・評価

ニック/NICK ハードペイン(2015年製作の映画)
3.5
あらすじ:ニック、号泣。

ニックに大打撃を与えられたフィラトが報復。とうとう家族を人質にとられ、「なぜこんなことにぃいいい…!泣」と嗚咽するニック。なぜかわからないのは、ニックだけでしょう笑。

再三主張してきた大義はどこへやら、妻子救出のために何でもやるニック。散々迷惑をかけてきたセ○レや相棒に、謝罪なし感謝なしで、性懲りなく躊躇なく迷惑を重ねがけします。

すると、ついにセ○レのハンナが愛想を尽かして曰く「あなたねぇ…(マジ勝手過ぎてもう無理消えて)!」と。激しく同意不可避です笑。

さすがにこたえたのかニック、「仕事に逃げてすまなかった。これからは家族を大事にするよ。」と、元妻イザベラに懺悔。

…おい!ハンナにも言うたらんかい!

案の定、そんな片手落ち告悔で帳尻が合うはずもなく、ニックの家族に最大の危機が…!

一方、悪党フィラトの家族愛はなかなか泣かせました。あれは、究極の信頼関係がなければ興ざめになるシーンですからねぇ。皮肉にも、家族間信頼関係は、チラー家よりも遥かに深いわけです。

そんな二人を差し置いて、本作の主役は何と言っても相棒のヤルシン。得意のサイバー戦ではなく、心と体を削って立ち回ります。なぜ彼は、身勝手極まりない狂犬ニックを、コメディリリーフや清涼剤として中和してきたのか。「いいや、根っからの善人だ!」の一言に集約されていましたね。頑なに自己開示を拒んできたニックも、思わずほだされそうになります。一瞬の表情ですが、ここはティル・シュヴァイガーの演技力が光ってた気がします!

そして最後はお待ちかね、娘のレニー。母との会話を濃密にする、悪党の悲哀を際立たせる、の二大タスクが課せられます。これまでで最も責任重大です。演じるのはもちろんこの人、ティルの実娘ルナ・シュヴァイガー♪持ち前のゴリラルックスで、反抗期娘のふてぶてしさを表現してきたルナ!今度こそ、忖度キャスティングの汚名を晴らすことができるのか!?(いやできない笑)