となりのデルトロ

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Yearsのとなりのデルトロのレビュー・感想・評価

4.0
ビートルズ大好き!!

なので、映画の出来云々以前に4人が映っててキャッキャしてるだけで、正直ある程度満足してしまうんですが・・

ビートルズというシナトラやエルヴィスも超えた前代未聞の現象に対して、世界、そして本人たちはどう向き合ったのかというドキュメンタリー

この映画見て改めて実感したのは、ビートルズが登場した衝撃って本当に大きかったんだなということ。音楽的にも社会的にも。

エルヴィスとかいわゆるオールディーズ聞いたあとにビートルズ聞くと、本当に新鮮に聞こえる。
こんな有機的で一体感のある、強靭なビート感を持つバンド・サウンドはそれまで存在していなかった。
自分たちで作詞作曲し(しかも2人、のちに3人もライターがいて)演奏するというのも作詞家、作曲家、歌手と分かれていた当時では大変異例。
だから当時の人々にとっては本当に衝撃的だったと思う。
さらに社会的にも人種差別撤廃を訴えて愛と平和を掲げるなど、こんなにメッセージ性の強いバンドはそれまで存在しなかった。

そんなビートルズに対し、世界がヒステリックといえるほど熱狂したのは当然といえば当然
当時のライブ映像とか凄いもんね。叫び声だらけで、演奏がほとんど聞こえないというw
ライブの動員とかも過去に例がないほど膨大に増えていき、世界各国に行っても熱狂的な歓迎を受ける

そんなクレイジーな状況に対し、持ち前のユーモア精神と、仲の良さ(そしてブライアンやジョージ・マーティンたちのサポート)で切り抜けていくビートルたちのカッコよさ!
特に会見やインタビューでの当意即妙のやりとりとか、本当に頭の良い人たちだったんだなと実感

でもそんな若者たちでも手に負えないほど、あまりにビートルズ現象は巨大化し、それゆえ誤解に基づく攻撃も頻繁に受けるようになり、やがて疲れ果てライブを一切やらなくなり、レコーディングに専念するようになっていく。
この当時のツアーの混乱ぶりは今見ても混乱する。こりゃ辞めるのも当然。
でもツアーを辞めレコーディングに専念することで、ビートルズはさらに音楽史を進化、深化させていくことになる。
転んでもただでは起きないビートルズ・・やっぱ最高!

正直ビートルズ史として新しい事実とか、斬新な解釈はないけど、豊富な映像と、現在のポールやリンゴたちのコメント、そしてテンポの良さで最初から最後まで楽しく見れた。
ビートルズファンはもちろん、ビートルズを知る一歩としても良いと思う。

ビートルズ初期のインタビューで「ビートルズが西洋文化の歴史に占める位置は?」と聞かれたポールが「んな大げさな」と一笑に付すシーンがあるけど、今は誰も笑わないだろう。
間違いなく20世紀最大、いや人類史上最大の世界規模での社会現象だったんだから。