Ginny

エタニティ 永遠の花たちへのGinnyのレビュー・感想・評価

4.2
とてもとてもとてもとても、美しく今を忘れて 映画の中に想いを馳せることができる、尊い映画でした。

オドレイトトゥが出てる、その理由だけで彼女の出演作を機会があれば見てきましたが、彼女は稀有な女優ですね。
そこに立ち、彼女の顔が映されればそれだけで 成り立ち 映える。
『アメリ』が一番有名だとは思いますが どの作品に出ても 大体外見は大差ないです。
それでも 何故かそれぞれの作品に合わせて彼女は 違います。
彼女の瞳のその奥深くの魅力が あるからでしょうか。

彼女がいなければ 見なかった、し 彼女じゃないと成立しない映画たちだなと思います。

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春と夏の陽だまりに当てられた木々や花々の様に鮮やかな映像が続きます。
とても、とても美しい。
時間の流れは子供達の成長でわかるように ゆったりと映画の中の時間は流れます。
ひとつひとつの所作が美しく 切り取って絵画を彷彿とさせるものです(私はダヴィンチとかルノワールを思い出しました)。

また、BGMにチョイスされたクラシック音楽がとてもとても良い。
特にドビュッシーの『アラベスク第1番』が良かった。
私はクラシックコンサートに行くと その曲をBGMにして頭の中で物語を作ったり 映画のシーン、カメラワークを考えたりするのが一番聴き入っている、しあわせな時なのですが そのような感覚を本作で感じることができ、驚くとともに感激しました。
とても美しいシーン、物語と アラベスク第1番の相乗効果が描かれていました。

様々な永遠性が随所に描かれていて。
音楽の美しさ、自然の景色の美しさと言ったものから 結婚から夫婦生活、夫婦として親としての愛から、子どもへの愛、子どもの愛らしさ。尊さ。
言葉にするのが野暮なくらい、難しいくらい 映画の中に永遠性が詰まっていて これ以上ないタイトルだと何度も思いました。
とてもとても素敵で、トランアンユン監督に脱帽です。

夜じゃなくて 午前じゃなくて 午後から見て 夕陽の光を感じてほしいなと思いました。
夕陽が美しく 自分にも繋がる永遠性を幸せに感じてほしい。
Ginny

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