エタニティ 永遠の花たちへに投稿された感想・評価 - 4ページ目

【甘く絞った、苦い人生果汁】

お話は盛大に地味そうだったが、トラン・アン・ユン監督の新作という興味と、好みの女優さん揃っているし…ということで劇場へ。

甘い映画でしたが甘さに溺れるのではなく、人…

• #7人も産ませて1人が死ねば「また産めばいい」とは何事？多産多死だった時代その分母親に多大な負担がかかり、子供を亡くす哀しみは夫の比ではない。男は戦場に行き、女は結婚し出産する。美しさに拘った映像の中、ラブシーンでも決して脱がないメラニー・ロランの意思の強さが目立つw
• #正に“生む機械”として妻は何度も妊娠と出産を繰り返す。代替わりする人生を、あえて美形の俳優に演じさせる事で鑑賞者に一秒たりとも感情移入の隙を与えない演出の妙がフランスらしい。何故命懸けで子を産み続けるのか？今の時代とはかけ離れた人間、女の生き様は動物か虫のように壮絶。

「人生とは愛する人を見送ること」という劇中の台詞が象徴するように、子を産み、育て、その子供がまた誰かと出会う、その系譜を辿るように生と死にフォーカスし、女性という命を祝福する。リストやドビュッシーな…

次から次へと人間がでてくるけど、どれも個が薄い感じ。ゆえに我が子を抱いてキスする画も、慈愛というよりそういう型にしか見えず。多分、「女・結婚・出産」以外の題材だったら、自分が当事者に該当しなかったら…