チッコーネ

過激派オペラのチッコーネのレビュー・感想・評価

過激派オペラ(2016年製作の映画)
4.5
ジェンダーロールのタガが外れた女だらけの世界で繰り広げられる、阿鼻叫喚の青春。
本性を隠す媚態が7割減なため、喚くしか能がない女にも、野性解放的な清々しさが漂う。一挙手一投足で衆目を集める「才能豊かな女たち」を対比に置く采配に計算が感じられるため、シラけない(「不動産屋の女」が最高で、大笑い)。
監督の自叙伝的な雰囲気が漂うが、舞台特有の熱気はそのままに、冷静な編集でスピーディなリズムを保つさまには、映画という別メディアへの謙虚な尊重が感じられた。