すずす

結婚式のメンバーのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

結婚式のメンバー(1952年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アラン・アーキン主演『愛すれど心さびしく』、ジョン・ヒューストン監督『禁じられた情事の森』で知られる、20世紀半ばアメリカ南部を代表する女流作家カーソン・マッカラーズの代表作の映画化。
描かれる世界観は、初期のカポーティに近い。と云うより、カポーティが影響を受けていると云う順番なのだろう。
村上春樹が翻訳本を出版した事でも知られています。

監督は『真昼の決闘』『地上より永遠に』のフレッド・ジンネマン。伝説の黒人セックスシンボル、エセル・ウォーターズの存在感が抜群です。

以下は物語。

南部の民家。
隣りの家からジャズ演奏が聴こえ、むせ返る南部の暑さに汗が浮き出る。

フランキーは多感な13歳、髪は短く、男まさりで、男っぽい名前が大嫌い。周囲の少女たちにも嫌われ、集まりから排除されている。
友達は、6歳の従兄弟ジョンと、ご近所の黒人ベレニスおばさん。
長年、入隊して留守だった兄が結婚式の為、帰省。週末に結婚式が予定されている。フランキーは兄と嫁に夢を膨らませ、2人に同行して街を出ると、宣言する。
ベレニスは無謀な夢を諫めるが、世間知らずのフランキーは夢を夢見るばかり。
仕事ばかりで無関心な父に頼み、結婚式用のドレスを買うが、派手なリボン飾りで全く似合わない。
いよいよ結婚式の日、フランキーはこっそり新婚夫婦の車に乗り込むも、追い出され、泣き崩れる。遂に、夜に家出を敢行、街に出るが、酒場で酔っ払いの兵士に絡まれ、家に帰るはめに。
すると、従兄弟のジョンが病に通れている。後日、医者、ベレニスおばさんの介抱の甲斐もなく、ジョンは亡くなってしまう。
そして、フランキーも引越していく。
大人びたフランキーが、あばらやと化した家を眺めている---------

ラスト、唐突に大人になっていたり、構成、つまり時間経過の表現方法は雑な印象でした。

ほぼ全編、孤独な少女の戯言と、なだめるベレニスおばさんのやり取り、映画的ではなく、楽しい映画では無い。

にも関わらず、惹き込まれるのは、舞台でも本役を演じ、オスカー候補にもなったジュリー・ハリスの名演ゆえ!
これは凄い!!
共演がレジェンドのエセル・ウォーターズと、『シェーン』の子役ブランドン・デワイルド。地味なのに豪華すぎる。
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