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キュア ~禁断の隔離病棟~のordinalのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

とても怖かった。
常時パソコンに向き合いろくな食事もせずに働き続ける生活と、闇に包まれた療養所の管理下での生活、どちらが自由でどちらが狂ってるのか?本当の幸せとは何なのか?を考えさせられる作品だった。青年は最後、狂ったような仕事も療養所も捨てて、新たな生活へ踏み出したという意味の笑みを浮かべていたのではないか。
画面は現実と幻覚が混ざっていて、青年の視点を通した価値観と見せられているものが正しいのかどうか分からなくなってくる。エキストラ的職員の男性同士が老人を運びながら喋り笑いあっていた(主人公は隠れてドアの隙間から様子を伺う)場面が妙に現実感があって、本当は安全なのにこちら側(青年)が勝手に被害妄想して警戒しているだけなのか?という考えが一瞬よぎってしまう。
保養地の庭の雰囲気ややたら水を飲ませたり入浴を勧めることなどはフェリーニ監督の8 1/2に似ている。

ところで、抜けなそうな前歯を無理にドリルで抜かれたのはなぜ?腸にドジョウ(ヘビ?)入れられてたのは大丈夫だったのか?その汁をビタミンとか言って1滴ずつ服用していたのはどんな意味があったのか?

デイン・デハーンは汚い姿でも格好良い。
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