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キング・ラットのmhのレビュー・感想・評価

キング・ラット(1965年製作の映画)
5.0
シンガポールにあったチャンギ捕虜収容所が舞台。
大日本帝国が占領する以前のシンガポールはイギリス領なので、収容されているのはイギリス軍の兵士、オーストラリア軍の兵士がほとんど。
少数だけどアメリカ兵もいて、その中のひとりが食材資材をちょろまかしたり、ブローカーやったりと大儲けしているという話。
劣悪な環境の収容所で、捕虜たちは鶏やネズミを増やして糊口をしのいでいる。やがて終戦の日を迎えると……。
ブロマンスものとしてもよくできててラストの余韻が完璧。
中でもよかったのがあれを食うくだり。「マッドマックス2」のドッグフードの缶詰に負けない名シーンになってると思った。めちゃうまそう!
サムペキンパーを思わせる静止画があったかと思えば、デパルマを彷彿とさせるカットがあったりと、映像がかっこいい。
最初から最後まで、虫が鳴いてるというのが地味にすごかった。鳥の声もしばしば聞かれた。虫も鳥もいないベトナムのジャングルがあたり前になってる戦争映画ファンにとって、これはかなり新鮮。
この手の映画にありがちな、変な日本語変な日本人もほとんどなくて完成度がとにかく高い。
舞台設定的には同じく、元イギリス領だったジャワ島の捕虜収容所を扱った「戦場のメリークリスマス」と近い。雰囲気もちょっと似てる。戦メリが省略した部分を埋めるための映画としても面白い。
鑑賞後は即ポチ。千円は安すぎる。
なんでこんないい映画が完全に埋もれてしまっているのかまじで謎。
mh

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