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きょうのキラ君のodyssのレビュー・感想・評価

きょうのキラ君(2017年製作の映画)
3.2
【自分のことだけならこれでいい】

高校生の恋愛譚。
ニノン(飯豊まりえ)は他人と関わることが不得手な女の子。クラスメイトからもバカにされていた。

或る日、同級生に絡まれていた彼女を同じクラスの男子生徒キラ(中川大志)が救う。しかし彼は難病持ちであり、ひそかに人生に絶望していた。偶然そのことを知ったニノンは何とか彼の人生を豊かにしようと決心して・・・

難病もの映画は多いけれど、これもその一つ。また、最初はダサい女の子が髪の毛をちゃんと整えると実は可愛い、という設定もまあ定番。

・・・だけど、主役ふたりが魅力的で熱演しているので、既視感のある話だなとは思いながらも物語に引き込まれていってしまう。悪くない映画じゃないかな。

それにしても、ヒロインのニノンは自宅に大きな部屋を持ち、そこでインコを飼い(動物が好きなのである)、それ以外にも好きな物で飾り立てていて、一人っ子。母親は専業主婦らしい。
ちなみにヒーローのキラも一人っ子らしい。日本の少子化は止まらないな、と変なところで危機感を抱いてしまった。

これ、つまり人間は自分の趣味や好きなことだけで生きていけるわけじゃない(家族のしがらみがあるから)という現実を忘れさせる設定なんですよねえ。映画としてはそれでもいいとは思うけど、私が年寄りになったいせいか、それでいいのか、と思ってしまいます、はい。すみません。
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