ねこ

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのねこのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

罪の代償として家族を差し出す事になった男の話。

↑だけ読むとありきたりな映画に見えるが、この映画の異質なところは生贄にされる鹿たちがそれを受容している所だと思う。「なぜ自分たちが死ななければいけないのか?」より(それを尋ねるシーンは少しあるものの)「誰が死ぬのか?」に思考が早々に切り替わっているのが気持ちが悪い。
前編通して声を荒げるシーンはなく、登場人物全員低血圧で繰り出される淡々とした命乞いがめちゃめちゃリアルで手汗が止まらない。最後まで自分の罪に向き合えきれずに、優柔不断でいる主人公が本当にダメ親父感ある。
最終的に一番純粋で罪のない弟が殺されてしまうと言うのも、家族の罪深さを助長して良い。

病気が呪いの力なのか薬の力なのか分からないところもなんだか神々しい力を感じる。
あと音。不穏すぎる音が怖い。
ねこ

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