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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

4.2
過去に自分が手術したけど失敗してしまった患者の息子に執着される心臓外科医の家庭に、何かヤバいものが与えられて、あの息子の仕業だと思う話!

新作の評価も高く、いよいよ世界的な権威を手に入れてしまったヤバめの作品を作るヨルゴス監督、自分は籠乙女、ロブスターに続き3作目になりますが、刺さるもの作ってんだなあ、ちくしょう。キャスティングも豪華だし、バリー・コーガンの醸し出す空気感はやっぱり凄い。

あまりに「全てを語らないこと」「こちらに委ねること」「だからこそ増幅する理不尽への恐怖」への執着が強すぎる作風で、映画ばっか見てるような奴にはこの味付けでいいんだよ、ていう感覚が秀逸すぎて、心に刺さる、というよりはへばり付く方法がわかってんだよなあ。最後のあれマジでなんなんだよ、ふざけんな、最高に嫌な気持ちにだけなったわ(褒め)。過去作からその悪魔的手法はそのままに、美しい投げっぱなしに心を奪われる。なんで俺たちがてめえのルールにしっかり従わなきゃいけねえんだ、と思いながら靴をベロベロ舐めてしまっているメソッドが、ここで完成している感じの映画です。こりゃ新作劇場行くかもなあ。
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