このレビューはネタバレを含みます
アマプラで鑑賞。序盤は淡々と静かに進むが、元父子?恋人?支援者?2人はどんな関係なのだろうと考えながら観ていたので一気に引き込まれた。
単なる静けさではなく、場面や各人物から感情が読み取れないような…かといって彼らの行動は決して冷たくなく、優しい。
一気に不穏さを演出する劇伴で、なんか嫌~な展開になりそうだと感じる。
以降、次第に乱暴な場面がポツリポツリ。感情の爆発…というより、利己的な暴力、のようなものが次々あらわれはじめ、一般的なミステリーとは違う雰囲気の作品だと気づく。
胸糞エンドとの感想を見たが、自分は、生きるってのは犠牲の上に成り立たつものなのかな…と呆然とした。
嫌な気持ちというより、諦めに近い。
『みなに幸あれ』の監督さんが影響を受けた(冊子より)というのも納得。
しかし、外科医はなぜ息子を選んだのだろう?娘はマーティンにまだ心酔のよう(最後のシーンで笑み?)なので、関係を切りたいなら娘では?
もしかしてせめてもの償いで、娘を残した?だとしたら、外科医は利己的なくせに偽善者でもあり、嫌だな、と思う反面、生活のほとんどはそういう嫌な矛盾で占められているかもな…と考えるとやはり諦めの気持ちになった。
アマプラのオススメでこの作品に出会った。『ソルトバーン』で知ったバリーコーガンが出演していたので鑑賞したが、大正解。不穏で憎めない魅力を発揮していて、目が離せない。
他にない映画体験ができた。すごかった。