…絶句
ここまで異様で気持ち悪く不条理な世界を描き切れるのは常人とは異なる生来の感性所以なのか？
あるいは何らかの特殊な経験をしていて、それに起因するものなのか？（偏見まみれです。すみません。）
ギリシャ神話が根底にある作品とのことだが、この映画の真髄は監督自身にしか理解できないと思う
作品を通し、彼の中に沸々と巣食う身の毛もよだつような狂気じみた才気に触れるのは、まるでド素人が誤って外科手術に立ち会い本作冒頭のピクピクと動く心臓を素手で触ってしまったかのような心持ちだ
でも恐ろしいことに私は彼の作品から逃れられない
中毒のようにまたこの感覚を求めてしまう
生々しい心臓の残像と、触ってもいないのにこの手に感じる触感がいまだ消え去っていないにも関わらず
しんどい映画の中でmid90sの髪型自由少年が出ていたことだけは唯一の救いだった
