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イントゥ・ザ・シーのkuuのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・シー(2014年製作の映画)
4.0
『イントゥ・ザ・シー』
原題Against the Sun.
製作年2014年。上映時間99分。

大海原に放り出されたパイロットたちの死闘を描いた米国製サバイバル。🚣‍♀️🦈☀️
『ハリー・ポッター』シリーズのトム・フェルトン主演(ドラコ・マルフォイもデカなった)。
それに、ジェイク・アベルと、
ギャレット・ディラハントが、パイロットのハレルド役(この俳優さんは、ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクル』でT-888型を演じてたけど、個人的にはドラマ『フィアーザウォーキングデッド』で、イカしたガンマンのジョン・ドリー役ででてましたが、悲しいことにウォーカーと成り果てドラマ退場🥺)で共演してたしアガリました。
3人の主演俳優は、試練の最中に倒れたパイロットがどのように衰弱したかを正確に描写するために、撮影中に1日500カロリーの厳しい食事で挑んだそうです。
役者魂が伝わる作品でした。

1942年1月16日、海軍の飛行パイロットと無線係、爆撃手(爆撃機ちゅうのが後々、お話に重要になってきます)は、南太平洋不時着を余儀なくされる。
飛行機は海に沈み3人の男たちは暗い海の小さなボートの中で、争っていた。
食料、水などが何もなく3人は残された。3人の見知らぬ者どうし。嵐やサメが彼らを襲う。
彼らに残された道は、飢えに耐え1000マイル以上漕いで陸に着くしか残っていないのだった…。

※作中で飲み水が無いからと御小水(オシッコ)を飲むシーンがありますが、こないな緊急時は仕方ないですが、飲み続けると尿毒症で命にもかかわります😊。

余談になりますが、
マイケル・サンデルってオッサンの『白熱教室』(哲学講義“JUSTICE”で有名なオッサンが「正義」について語るNHKの番組)を纏めた)
『これからの「正義」の話をしよう』って本に、ミニョネット号事件の逸話を取り上げられてた。
それを、あーでもないこーでもないとツラツラ問題を投げ掛けよる内容なんですが(結構勉強にはなる)、今作品の粗筋を読んだときふと思い出しました。
余談のよだんながら、
このミニョネット号事件は、
1884年7月5日、英国から濠洲に向け航行していた英国船籍のヨット『ミニョネット号』での出来事で、公海上で難破した。
船長、船員2人、給仕の少年の合計4人の乗組員は救命艇で脱出に成功したが、艇内にはカブの缶詰2個以外食料や水が搭載されておらず、雨水を採取したり漂流5日目に捕まえたウミガメなどで食い繋いだりし、漂流18日目には完全に底をついた。
19日目、船長は、くじ引きで仲間のためにその身を捧げるものを決めようとしたが、船員の1人が反対した為中止された。
しかし20日目、船員の中で家族もなく年少者であった給仕のリチャード・パーカー(17歳)が渇きのあまり海水を飲んで虚脱状態に陥った。
船長は彼を※殺害、血で渇きを癒し、死体を残った3人の食料にした。
って事件で、実際、救出後に生き残った人たちは裁判にかけられたんですが、サンデルは、
『自分が生きるために人の命を奪うのは正義か、否か』と問いかけ話を展開してました。
実際なら、ケースバイケースだと思いますが、相手との人間関係、 殺すことができる自分や相手の体力の有無の問題、 助かる可能性や救助隊がくる時間や正常な判断ができる思考力がどれだけ残されているかなどさまざまなファクターがあるから、いまの正常な状態ではまるで状況が違うから今考えれるんはナンセンスと思われますが。
でも、人はいつなんどき、退っ引きならない決断に迫られるか分からんし、また、いついかなる時にサバイバルを賭けて知恵を絞らなきゃならん時が来るやもしれないし、こないなサバイバルパニック系の作品は、個人的に少なからずためになるんじゃないかと手に取って観てはいます。

さて、今作品は実話を基に極力忠実に描くことに全集中してるし、派手な映画に見られる華美はない。
地味やけど、それが逆にとてもリアルに繊細に作られているって感じました。
この手の極限サバイバルの実話系作品は過去にも色々観てきましたが、そのたびに人間の強さに驚きました。
第二次世界大戦中、行き先を見失って太平洋のど真ん中に不時着した戦闘機。
その乗組員3名(操縦士、無線士、砲塔射撃手)が救命ボートにて長期間漂流を余儀なくされるって1日でも過酷。
物資もほぼない中でいかに生き抜いていくか。
日頃、暇あればベア・グリルス『MAN vs. WILD』や
生き残りを賭けた『ALONE ~孤独のサバイバー』はたまた、 
『ザ・山男』加えて
『ガチ・サバイバル』等々、サバイバルドキュメンタリーは観てるし、可能な限りシュミレーションも兼ねサバイバルグッズで試してはみてる。
だから、今作品を視聴中も引切り無しに、もし自分だったら。。。なんて想像空想妄想してしましたが、まず生きられないやろなぁと思います。
生きられたとしても、精神に異常をきたすかな。
これ以上ないと云うほど過酷な環境下でも諦めなかった3人の姿に、どんな苦境でも、諦めないで生き抜く事の大切さを感じエンドロールまで確りと泪ながしながら観ました。

そう云えば、サバイバーと云えば、今タイムリーで『ONODA 一万夜を越えて』(日本の小野田寛郎旧陸軍少尉の史実を基にした映画作品)が公開されてますが、同じくサバイバーのよっこい横井庄一さんと比べて、小野田さんは、日本帝国のスパイ養成学校(陸軍中野学校)出のエリートと片や横井さんとでは知識量の違いで、サバイブグッツ(手作り)も出来が大違いやった。
やはりこないなサバイバルじゃ知識と行動力がモノを云うんやなぁ。
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