高度な論理性、感性、幻想性の三位合一
アナとオットーが驚きだったため、同監督の作品として急遽レンタル。
結論から言えばオール5の五つ星
本作品もアナ同様「時間軸を前後させる細かいカット挿入」と「幻想シーン織り込み」テクニックを多用。カメラ角度にも工夫を凝らし、アルトゥーロが悪霊を外にけり出す場面におけるカメラ追随など持てるテクニックを的確に使用。
勿論ストーリーの骨子の確かさ、主演ペネロペ・クルスの熱演、助演男優陣、子役のそつない演技、背景音楽、外科ドクターの熱唱、など全要素が高度に論理的にしかも高次パッションを伴って構築されているため、こちらにはただただ「感心と充実」「ウェットだけれどべたべたしない抒情性」（自分でも何を言っているのか分からない・・笑）など深い満足として伝わってくるだけ。
今回もアナ同様1時間50分を超える長時間大作と感じてしまったが、それでいて退屈ではなく充実感に満たされたのは、上の時間軸操作・幻想性織り込みなどのテクニックがもたらすこの監督作品の特質なのだろうと確信。
フリオ・メデム監督、残る作品もおいおい鑑賞していきます。
恐らく同様のテクニックが使われている邦画作品も存在するのだろうが、少しでも「いやらしい意図」が入ってしまうとネガティブ効果に堕してしまうのかもしれない。
「効果狙いのいやらしさと薄さがみじんも感じられない論理的で厚みある雰囲気の緻密な構築」が視聴者として映画に求める一つの理想。
012007
