『犬』が主役の映画ではじめて面白いと思った。
語り手は犬自身になっている。
夏目漱石の「吾輩は猫である」のようなパターン。
「吾輩は猫である」は猫の視点で人間社会を風刺しているけど、
この映画は犬の視点で人と犬(ペット)のあり方を描いている。
輪廻転生する犬の物語。
1度目の犬生は、掴まってあっさり殺処分…
2度目の犬生は、掴まったけど、なんとか逃げ切り、親切な母子に救われる。父親とはうまくいかないけど、幸せな犬生を過ごす。
3度目の犬生は、警察犬として大活躍。だけど、普段はわりと孤独。
4度目の犬生は、学生に引き取られる。悪い人じゃないけどオモチャのような扱い。
5度目の犬生は、鎖に繋がれたまま。孤独。その後、野良犬に。そして…
人間のストーリーはかなりベタだけど、人間が主役じゃないから、これで十分。
※タイトルは、原題や映画の内容を踏まえると「犬のボクが生きる意味」になるかな。「僕のワンダフル・ライフ」という邦題はちょっと違和感。