ガリガリ亭カリカリ

僕のワンダフル・ライフのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)
4.8
全犬好き催涙映画。犬を飼っている/飼ったことがある人なら漏れなく感涙必至シークエンスの連続だが、本質的には「これから犬を飼う人」が観るべき作品。または、ペットロスで苦しんでいる人に向けたメッセージとしても機能している。

ドラマとしてはボンボン凡作、とは言え犬たちの芝居や撮り方、主観視点などが抜群に巧いので無問題。だから星4.8。

所謂犬アフレコに対する拒否感が自分はゼロの人間だなと再認識した。そういった人間のエゴ目線の物語でしかないのだけれど(原題、犬の使命って……)、言語コミュニケーションが可能/不可能に限らず、エゴであることを踏まえつつ彼らの「物語」を受け入れてみたいという気持ちはめっちゃある。

アル中の親父と爆竹放火バカと何年も散歩に連れていなかないホワイトトラッシュ夫婦が嫌なキャラクターすぎて腹立つぜ。

劇場で観た時は号泣しすぎてほとんど画面も字幕も見れず「観た」にカウントしていいものかと思いつつ「こんなもん二度と観れねえよ」と半ば再見をあきらめていたが、犬を約2年前から飼い始めたので唐突に観た。隣で観ていた彼女が号泣していて何だか申し訳なかったが、その彼女を「大丈夫?」と心配する我が家の犬たちが愛おしかった。いや別に、大丈夫?と心配しているわけではないのかもしれないけれど、そうかもしれないと信じて関係していくことの方が豊かだと自分は思う。