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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のmasaのレビュー・感想・評価

4.3
心に突き刺さり、観終わった後しばらく動けなかった。

聞こえるということはどういうことか、そして聞こえないということは…

突然聴力を失い始めたヘビーメタルバンドのドラマーの葛藤を描く。

かつて薬物依存症だった主人公がろう者のコミュニティーで生活しながら、聴力を失う現実を受け入れようともがく。

ドラマーのルーベンは突然、音がほとんど聞こえなくなってしまう。
バンド仲間で恋人のルーは、ルーベンがドラッグに依存していたころに戻ってしまわないよう、ろう者のコミュニティーへ行くことを勧める。
コミュニティーでルーベンは手話を身につけ、次第に新しい生活に慣れていくが、一方でかつての暮らしに未練を感じていて…

手術をした主人公に対して、難聴者のコミュニティーのリーダーが言っていた、難聴とはハンデではない。治すものではないといった言葉が頭から離れない。

ラストシーンのルーベンのとった行動、そしてその表情に微かな光が輝いていた。

自分的には年間ベスト級の作品。

一見音楽映画と思ってしまったけど、極上の人間ドラマだった。
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