心に突き刺さり、観終わった後しばらく動けなかった。
聞こえるということはどういうことか、そして聞こえないということは…
突然聴力を失い始めたヘビーメタルバンドのドラマーの葛藤を描く。
かつて薬物依存症だった主人公がろう者のコミュニティーで生活しながら、聴力を失う現実を受け入れようともがく。
ドラマーのルーベンは突然、音がほとんど聞こえなくなってしまう。
バンド仲間で恋人のルーは、ルーベンがドラッグに依存していたころに戻ってしまわないよう、ろう者のコミュニティーへ行くことを勧める。
コミュニティーでルーベンは手話を身につけ、次第に新しい生活に慣れていくが、一方でかつての暮らしに未練を感じていて…
手術をした主人公に対して、難聴者のコミュニティーのリーダーが言っていた、難聴とはハンデではない。治すものではないといった言葉が頭から離れない。
ラストシーンのルーベンのとった行動、そしてその表情に微かな光が輝いていた。
自分的には年間ベスト級の作品。
一見音楽映画と思ってしまったけど、極上の人間ドラマだった。