takehi

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のtakehiのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「良い依存 惡い依存 普通の依存、、」
おじさんの映画日記 サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~編
※封切り当時yahoo映画へ投稿

突然聴覚障害になってしまったヘビーメタルバンドのドラマーの若者の苦難の人生を淡々と精緻に描写、ドラマはまるでドキュメンタリーの様に進んで行きます。

彼が半ば強引に体験する、ろう者のコミュニティはインパクトありました。
毎日繰り返されるエクスプレッシブライティング(心に浮かんだ事を紙に書き込んで行く作業。)で苛立ってしまい潰されたドーナッツが忘れられません、、バンド活動する事を諦めきれない彼に対して「依存症が出てきている、コミュニティを守るために君は出ていきなさい」リーダーの真っ直ぐな言葉に凄く重みがありました。

生活していれば自分なりの世界観や人間関係に囚われているもんですね。
何かしらに依存して生きていて、そのせいで他人に迷惑かけたり、身を滅ぼしたりしてゆく場合は悪い依存という事なのでしょう。。
若い男は聴覚障害になってしまったにもかかわらず、彼女さんとのバンド生活に固執しすぎて、辛くなっていくその姿が切なくなります。
最後の最後、ささやかですが、穏やかで、静かな世界を体感した彼は今後どのような道を進んで行くことになるのでしょう? ろう者のコミュニティに入った当初その生活を素直を受け入れていた時の彼ならば、新しい希望の未来が続く事と思いますね。。

☆ネット記事を紹介
・この作品は聴覚障害者になった人はどんな音を体験するのかが見所ならぬ聞きどころであります、記事ではヘッドフォンで見る事を勧めておりました、ノイズ体験はより強烈でリアルなものとなるでしょう。
・監督のコメント記事から、脚本に8年かけたそうです。 それだけに登場人物達がしっかり作り込まれて作品に深みを与えているのでしょう。バンドボーカルの彼女さんのリッチで癖強めのお父さんが妙に印象的でした。
・時系列で撮影をしたそうです、生々しい体験的映画に拘ったそうです。
(バンド演奏も本物だそうです、オープニングの演奏シーンカッコよかったですね!)

追伸
キネマ旬報の3人クロスレビューのページでなんと全員5つ星のパーフェクト評価されていました!(昔は知りませんが、そんなの初めて見ました)慌てて観戦したミーハーなおじさんです。
2021/10/28 9:39
takehi

takehi